保育士の仕事中に息苦しさを感じる? 保育士のストレスチェック方法と対策を紹介

保育士の仕事中に息苦しさを感じる? 保育士のストレスチェック方法と対策を紹介

保育士は、他の職業同様に、職業ならではのストレスを抱えながら働いています。2015年の法改正により「従業員50人以上の施設で年1回のストレスチェック」が義務付けられました。しかし、職員が50名以上の規模の保育施設は極めて少なく、ストレスチェックが行われていない保育園は数多く存在します。そのような場合に個人でできるセルフストレスチェックとストレス対策をお伝えします。(元保育園園長・藤森みずほ))

セルフストレスチェックリスト

まずは、簡単なストレスチェックをしてみましょう。以下の質問について、どのくらい「そうだ」と感じますか?

ココロ編

  1. 今まで熱中できていたものが楽しく感じられない
  2. 外見に気を使わなくなった
  3. 休日に何もする気になれない
  4. 上司や同僚、保護者の目ばかり気になる
  5. 出勤前は気が重い
  6. 子どもたちをかわいいと思えなくなった

カラダ編

  1. 食欲が急に増えた・急に減った
  2. 寝つきが悪い・眠りが浅い
  3. 頭痛や胃痛が頻繁に起こる
  4. 動悸や息苦しさを感じる
  5. 突然汗が出てきて、のぼせる感覚がある
  6. わけもなく急に涙が溢れることがある

いくつ当てはまったでしょうか? チェックがついた分だけ、知らず知らずのうちにあなたはストレスを感じています。

ストレスに気づいたら、いち早く対策をとることが大切です。見て見ぬふりをしていると、うつ病などの精神疾患を患ってしまい、保育士として働くことが困難になる場合もあります。手遅れになる前に自分に合ったストレス対策を見つけて、メンテナンスしていきましょう。次の対策を参考にしてみてください。

ストレス対策で、メンテナンスを

ストレス対策その① オン・オフの切り替えをしよう

過度に仕事へのめり込んだり、業務を自宅に持ち帰ったりしていませんか? 仕事と私生活の線引きが曖昧だと、職場での緊張感を自宅でも引きずってしまい、心身ともに休まる時間がありません。計画をしっかり立てて、持ち帰り仕事をせず、仕事は保育園で完結させる習慣を身につけましょう。

ストレス対策その② 一人で抱え込むのはやめよう

誰かに悩みを打ち明けることで、気持ちが軽くなったり、解決の糸口が見つかったりすることは多々あります。信頼できる友人や家族、上司や同僚へ相談してみましょう。身近に話せる人がいなければ、カウンセリングを利用するのも手です。話しているうちに前向きな気持ちになれるはず。自分一人で何とかしようと思わないことが重要です。

ストレス対策その③ 働き方を見直そう

仕事のストレスが多いからといって、すぐに「辞めよう」と思うのは待ってください。働き方を見直すことがストレスの種を減らすことになるかもしれないからです。例えば、仕事量やプレッシャーが多くて苦しい場合は、正社員からパート勤務に変えることでストレスが解消される場合があります。一時的に時短勤務を希望するのもありです。自分に合った働き方を考えてみましょう。

ストレス対策その④ 転職を視野にいれよう

ストレスの原因が、人間関係や職場の風土にある場合は、個人で対策しても改善には限界があります。そんな時は我慢の限界になる前に転職を考えてみましょう。長年の悩みが一瞬で解決されるような職場に出会うケースもあります。

また、実際に転職に至らなくても、「他にも働ける場所がある」と気づくことができるだけでも、気持ちが軽くなる場合があります。視野を広げて、自分の可能性や選択肢を探してみましょう。

まとめ

人とのつながりが重要な保育士という職業で、全くストレスがない環境で働くことは難しいかもしれません。ですが、感じたストレスを早いうちに解消したり、軽くしたりすることは可能です。

保育士のストレス軽減は、子どもたちへの保育にも良い影響をもたらします。定期的に自分のストレスの状態をチェックし、それに応じた対策をとって、笑顔で保育できるような自分にメンテナンスしていきましょう。

「職業性ストレス簡易調査」とは?

厚生労働省では、労働者のメンタルヘルス不調の未然防止(一次予防)が主な目的として、「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度」を設けています。その中で簡易調査を例示しています。なお、事業者が実施するもので、採点方法も難しいので、あくまで参考として見てください。

職業性ストレス簡易調査票の簡略版(23項目)

A あなたの仕事についてうかがいます。最もあてはまるものに○を付けてください。
【回答肢(4段階)】そうだ/まあそうだ/ややちがう/ちがう

  1. 非常にたくさんの仕事をしなければならない
  2. 時間内に仕事が処理しきれない
  3. 一生懸命働かなければならない
  4. 自分のペースで仕事ができる
  5. 自分で仕事の順番・やり方を決めることができる
  6. 職場の仕事の方針に自分の意見を反映できる

B 最近 1 か月間のあなたの状態についてうかがいます。最もあてはまるものに○を付けてください。
【回答肢(4段階)】ほとんどなかった/ときどきあった/しばしばあった/ほとんどいつもあった

  1. ひどく疲れた
  2. へとへとだ
  3. だるい
  4. 気がはりつめている
  5. 不安だ
  6. 落着かない
  7. ゆううつだ
  8. 何をするのも面倒だ
  9. 気分が晴れない
  10. 落着かない
  11. 食欲がない
  12. よく眠れない

C あなたの周りの方々についてうかがいます。最もあてはまるものに○を付けてください。
【回答肢(4段階)】非常に/かなり/ 多少/全くない

  1. 次の人たちはどのくらい気軽に話ができますか?
  2. 上司
  3. 職場の同僚
  1. あなたが困った時、次の人たちはどのくらい頼りになりますか?
  2. 上司
  3. 職場の同僚
  1. あなたの個人的な問題を相談したら、次の人たちはどのくらいきいてくれますか?
  2. 上司
  3. 職場の同僚

※出所:厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(令和元年7月」