東京23区で保育士の給料が高いのはどこ?「月給ランキング」で正社員の給与の相場を知ろう!【2023年度版】

東京23区で保育士の給料が高いのはどこ?「月給ランキング」で正社員の給与の相場を知ろう!【2023年度版】

東京23区の保育士の給料を調べて、「月給ランキング」を作成しました。最も多い区と少ない区では、2万円近い月給の差があります。また正社員であっても、地域、経験、最終学歴などによって月給はかなり違います。給料の相場がどうなっているのかを確認してみましょう。

23区で月給がトップは足立区

 保育園に就職・転職する際に、一番気になるのが給料(月給)です。特に東京都は全国でも最も給料が高いのが魅力です。そこで東京23区の中では、どの区の給与が高いのか調べるため、保育士(正社員)の月給を調べてみました。

保育士月給ランキング(東京23区、正社員募集時の最低金額)
1位、足立区(24万5142円)
2位、江東区(24万2406円)
3位、中央区(23万8818円)
4位、杉並区(23万8704円)
5位、北区(23万7770円)
6位、板橋区(23万7441円)
7位、港区(23万7358円)
8位、中野区(23万7191円)
9位、大田区(23万5740円)
10位、江戸川区(23万5650円)
11位、目黒区(23万4446円)
12位、品川区(23万3326円)
13位、新宿区(23万3057円)
14位、文京区(23万1623円)
15位、墨田区(23万0863円)
16位、豊島区(23万0303円)
17位、台東区(23万0284円)
18位、世田谷区(22万7460円)
19位、葛飾区(22万6111円)
20位、荒川区(22万4106円)
21位、千代田区(22万2692円)
22位、渋谷区(22万1338円)
23位、練馬区(22万0085円)

東京都全体(23万1694円)
参考:契約社員の23区平均=20万9554円
参考:アルバイト・パートの23区平均=時給1220円

※正社員、保育園、保育士資格あり、大手転職サイトで募集している最低月給の平均(2023年7月)。諸手当を含む。賞与(ボーナス)、住宅手当などは含まない。

 東京23区といっても、かなり月給の差があることがわかります。最も月給が高かった足立区と、最下位の練馬区では、2万5057円も差がありました。

 以前までは、全体の傾向として、23区でも港区、中央区、目黒区、品川区など「南部・西部」に位置する区の月給が多く、一方で、足立区、葛飾区、北区など、「東部・北部」に位置する区の月給が低くなっていましたが、足立区が1位になったことからもわかるように、現在はその格差がなくなってきています。

 一方、個別の保育園を見ていくと、月給は18万円から30万円程度まで幅があります。正社員として同じ仕事のはずですが、その待遇は保育園によってかなり違うのです。保育業界は保育士が大幅に不足している「売り手市場」ですので、高い給料を支払ってでも保育士を採用したいという保育園が出てきたことで、これだけの月給の格差があるようです。

また、政府によるバックアップで給与は年々上昇傾向にあります。

 では、どんな保育園の給料が高いかというと、一定の法則はないようです。求人一覧を見ればわかりますが、大手の運営会社の給与が高いというわけでもなく、実際の求人を多数見るしかないようです。

 なお、月給には、賞与は含まれません。賞与は年間あたり月給の2〜4ヶ月分程度支給する保育園が多いようです。また、東京都の保育園の場合は、月給とは別に、借上げ社宅制度(家賃補助)を用意している市町村が大半です。後述しますが、国としては最大月8万2,000円もの家賃補助の制度を用意しています。自治体や保育園によって条件は違うので、問い合わせてみましょう。

さまざまな加算制度がある

 今回、調べたのは各保育園の最低月給(正社員)の平均です。ということは、経験があったり、学歴が高かったりすれば、月給は加算されます。その仕組みを紹介しておきましょう。

 主な加算の条件は以下の通りです。

1、「経験」加算
 正社員経験があれば、経験1年につき月給を1,000〜2,000円程度加算する保育園が多いです。なお、パート勤務の場合も週30時間以上の勤務のケースや、幼稚園や認可外園での経験も加算対象とするようです。
2、「学歴」加算
 短大・専門学校卒業の人と、四大・大学院卒業では、月給が違うという保育園は多数あります。だいたい、四大・大学院卒業者は、基本給が月1,000〜5,000円程度高く設定されています。
3、「地域」加算
 地方と都会では当然ながら月給は違います。地方に比べると、東京の月給は2万円程度高く、神奈川県、千葉県などの首都圏は1万円程度高く設定されていることが多いようです。
4、「役職」加算
 保育園に転職する場合、単なる正職員ではなく、主任、園長としての採用もあります。主任であれば3〜5万円アップ、園長であれば5〜10万円アップというのが相場でしょうか。ただし、園長となると残業時間も増える傾向にあり、実際の額面はもっと多くなりそうです。

 以上のように、月給といっても加算条件によってもかなりばらつきがあります。

 月給については、募集要項に記載がありますが、細かい加算についてははっきりと明記されていない事もあるので、応募時に月給がいくらなのかを聞きましょう。また賞与(ボーナス)は前年度実績でいくら出たのか、ない年の昇給はどの程度あるのかも合わせて聞いておきたいですね。

保育士宿舎借り上げ支援事業で最大8.2万円補助

 保育士の場合、政府による「保育士宿舎借り上げ支援事業」が他業種よりも充実しています。

 政府の保育士確保対策として、保育園の事業者が保育士用のマンションなどを借り上げるための費用を支援しています。月額82,000円を上限として、市区町村別に一人当たりの月額(上限)の金額を設定しています。東京都23区の一部の区では、さらに独自の追加加算があります。

 対象となるのは、採用された日から起算して9年以内の常勤の保育士です。以前は5年までしか家賃補助が続きませんでしたが、拡充されて現在は9年となっています(ただし、待機児童が少ない自治体の場合は5年以内となっている)。国の制度ですが、実施するかどうかは各市区町村にまかされているので、各自治体のサイトで確認しましょう。

 なお、保育士宿舎借り上げ支援事業が採用されている自治体であっても、保育士の家賃が全額無料となるのか、一部負担するのかは、各保育園が決めることになります。国の制度ではありますが、補助割合は、国:1/2、市区町村:1/4、事業者:1/4となっており、保育園の運営会社も一定の負担を強いられるからです。多くの保育園では、支援事業が受けられる間は無料か、1−2万円程度の負担としています。借りるアパート、マンションは、保育士が指定する場合と、保育士が選べる場合の両方があります。

 保育園によっては、この保育士宿舎借り上げ支援事業とは関係なく、家賃補助を支給したり、社宅を用意している保育園もあります。

転職サイトは複数登録すべき

 それでは、実際に転職を考える際は、まず何をすればいいでしょうか。最初に取り組むべきなのが、「転職サイト」に登録することです。主要な転職サイトであれば、一人一人の保育士にコンサルタントがついてくれ、希望に沿った保育園を紹介してくれます。保育園の様子や勤務実態についても、転職サイトを通じてヒアリングできるのでぜひ登録したいものです。

 それも1つの転職サイトだけでなく、複数のサイトに登録するのがオススメです。下記の「主要な保育園転職サイトを比較」を見ればわかるように、登録している保育園数には差があり、1つのサイトに登録しているだけでは、現在募集中の保育園全ての情報を見ることができないからです。また、サイトによって得意な地域、苦手な地域があったりするので、複数のサイトに登録すれば、最適な保育園に出会える確率が高まります。

 なお、ハローワークでも転職・就職情報を見ることができますが、登録している件数が少ないので、これだけで転職活動をすることはお勧めしません。

 転職を考えるのなら、複数の保育士転職サイトに登録して、転職先を探してみるのがいいでしょう。

(マメ知識)保育士転職サイトは複数登録しよう!

 保育士が保育園の転職、求人情報を探すなら、複数の転職サイトに登録することが大切です。どこも登録は無料です。主要な転職サイトでも、登録している保育園数、得意なエリアは違います。

 

                            

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