こんにちは。今月から新学期がはじまりましたね。今回は、これから保育園で働き始める新米保育士さんがすぐに使える子どもとのコミニケーションテクニックをお伝えしたいと思います(子どもの心スペシャリスト・小阪有花)
子どもに大切なものは‥リアクション!!
子どもが大好きで保育士になった方がほとんどだと思いますが、すぐに子どもと仲良くなれるかはまたベルの話ですよね。
子どもを楽しませるには、手遊びや工作など様々な遊び方がありますが、なによりも大切なことは、遊び方ではなく、どんなリアクションをするかが重要になります。
子どもは大人が思っている以上に大人の表情一つ一つをよく観察していますし、瞬間瞬間の大人の表情でその人が安心できる人かどうかを本能的に判断しています。
だからこそ、リアクションのコツを覚えて、あっとゆうまに仲良くなり、ワクワクする新学期にしていきましょう。
驚く!
子どもは大人の驚いた顔が大好きです。
子どもがするイタズラの大半は、大人の驚いた顔を見たいが為にやっています。
逆に言えば、日常的に大人の驚いた顔をみせてあげるというのは、イタズラを防止することにもつながります。ではどうやって見せたら良いのでしょうか?
たとえば組み立てているブロックが落ちた時、子どもが先生を呼ぼうとちょんちょんとつついたとき、ちょっと大げさに驚いてあげると良いです。
驚き方ですが、ポイントはふたつあります。
顔と声です。
わかりやすく「うわぁ!」と大きな声を出してあげてください。
そして顔を作る際は、口を大きくあけながら「うわぁ!」のと言うと自然に表情が完成されています。できれば口だけではなく眉毛を多少大げさに上げてください。
やりすぎかな?と思うくらいがちょうどいいです。
逃げる!
大人が逃げれば追いかけたくなるのが子どもです。
そして個人的には、追いかけっこはある程度の年齢まではルール化してやるよりも自然発生的にやった方が楽しいという考えがあります。
きっかけはなんでも良いのです。
「よし!先生ちょっとお散歩してみよっかなぁー」と言って軽い駆け足で移動するだけでも追いかけっこは始められます。ここでポイントは移動するときに「てくてくてくてく」と効果音をつけることです。
この楽しげな擬音が「追いかけていいんだ」という安心感を子どもに与え遊びスイッチが入ります。
気づかないふり
とにかく何をされても気づかないフリも遊びには効果的です。例えばシールがあるとします。紙やおもちゃに貼るのも楽しいですが、私の場合は顔に貼って気づかないふりをします。
そのうち子どもが「先生顔にシールついてるー」と言ってきたらチャンス!「どこについてるの?指さして!」と聞き返しましょう。
子どもが顔を指さしたら後ろを振り向いて「シールこっちかなぁー」と指さした方向へ探しに行きましょう。先生が気づかないことにきっと子どもは面白がってくれます。
どんどん声のボリュームが上がりだす場合があるので、頃合いをみてみつけるのがポイントになります。(笑)
泣きマネ
子どもの特徴の一部を知るために「泣く」という演技も使えます。
先生が泣いてしまった時(もちろん泣いているフリですが)、どういうリアクションをするのかでその子を知ることが出きます。
頭を撫でてくれる子、他の先生を呼びにいく子、追い打ちをかけてくる子など…。
これは大人にも言えることで、例えば他者が窮地に陥った時、普段は厳しくてもいざとなれば助けてくれる人、普段は優しくても見て見ぬふりをする人、表面だけではわからないその人の本質的な部分が垣間見えるのです。
しかしこれはどの反応が正しい悪いではありません。あくまで子ども達を見守る管理者として、子どもがどういった反応をするかを知ることで今後どんな関わり方をしようか考える材料のひとつになります。
また、昨日は追い討ちをかけてきたのに、次は慰めてくれたなど子どもの変化も感じることができます。
無理にやるものではないですが、タイミングがあった時はやってみてもいいと思います。
突然寝る
これは初めてやる時はドキドキしてしまうかもしれませんが、何かを始めようとしたタイミングで突然寝たふりをしてみてください。
「さーてそろそろお絵描きしようかな~…………ぐぅ~」といった感じです。
きっと子どもの誰かが起こしてくれるので、そうしたら、「あーびっくりしたぁ!先生ねちゃってたよぉ」といってすぐに再開しましょう。そしてすぐまた寝る。これを繰り返します。
きっと子どもたちは「先生またねちゃったー」と言ってあの手この手でお越しにくることでしょう。起きたり寝たりのポイントは、あまりに起きなすぎると男の子からパンチやキックが繰り出される危険があるので程よい駆け引きを楽しみましょう。
この人面白い人だなって子どもは先生に夢中になりますよ。
褒める時の必勝フレーズ「さ・し・す・せ・そ」
これは調味料の王道や、飲み会で好かれるためのフレーズとしてよく使われている用語ですが、子どものリアクションでも使えます。
褒められて嬉しいのは大人も子どもも変わりません。是非こんな褒め言葉をたくさん伝えてください。
- さ→さすが!!
- し→知らなかった!!
- す→すごーい!!
- せ→センスいいね(かわいいね!かっこいいね!)
- そ→そうなんだ!!
とにかく言葉に迷ったら、この五文字を思い出し使ってみてください。私は保育園での子どものコミュニケーションでこの言葉を本当にたくさんつかっていました。とっても便利でおすすめです。
やられた時の必勝リアクションフレーズ「や・た・い」
これはお外で使う技です。「子どもをととにかく遊ばせ、絶対昼寝を成功させるぞ!」という時の私のリアクション必勝法です。子どもと遊んでる際、何かやられた時のリアクションはあらかじめ用意しておくとよいでしょう。
- や→やめてくれぇー!
- た→たすけてくれぇー!
- い→いててててて!
これは出川哲郎さんのリアクション芸をヒントに編み出したフレーズですがこのリアクションをすれば子どもはヒートアップして大興奮で先生を追いかけ回します。
ただしこれは気を付けなければいけないことが3つあります。
- 子どもに注意すべきタイミングでは使わない
- やりすぎてエスカレートしても良くないので、ほどほどにすること
- 絶対昼寝を成功させたいのみの、禁じ手であること
子どもの好奇心や悪戯をしたい欲求に拍車をかける技なので、広い場所で、小さい子がまわりにいないか確認しておきましょう。
そして収拾がつかなくなったら他の先生に助けてもらうことも忘れないでください。私が保育園で働いているとき、「どうしても、午後ちゃんと寝かせたいんだ!」と心の叫びが現れたときのための、体をはったリアクションコミニケーション術です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
誰でも最初は迷ったり悩んだりするものです。だからこそいろんなことに挑戦していきたいですよね。沢山経験を重ねて先生のオリジナルリアクションを作っていきましょう。
これからどんどん素敵な先生になっていってくださいね。応援しています。
【小阪有花】2004年 ミスマガジンから芸能界へ。2009年に芸能引退後、保育コンサルを経て、2020年 総合制作会社cheer lead を設立。