コロナウイルスにより会いたい人に会いに行けない日々が続いていますが、会いたい人に電話やメールではなく、手紙を書いてみてはいかがでしょうか? 今回、私は日本郵便のキャラクターで大人気の“ぽすくま”による、手紙の大切さを伝えるプロジェクトを企画しました。ポストカードの企画・作成だけでなく、都内にある保育園で、子どもたちに向けてコロナの意味や、コロナだからこそできることを伝えてきましたので、その顛末をお伝えしたいと思います。(子どもの心スペシャリスト・小阪有花)
日本郵便のプロジェクトを支援
今回、私が支援した企画は、「日本郵便「ぽすくまとアマビエ様 ~#コロナに負けるな企画~」です。
日本郵便では、コロナ禍の中にあっても、手紙を通じて様々な人との交流ができるように、ネットでの展開、リアルでの展開を実施。
漫画家の井上菜摘さんにデザインいただいた、3Dの「アマビエ様」と、日本郵便のキャラクター「ぽすくま」がコラボレーションしたポストカードのデザインを作成しました。
「会いたい人に会えない」、「行きたいところへ足を運べない」でいる日々の中で、手紙を通じて様々な人との交流ができるように、吹き出しを付けたイラストとして、ご自身でメッセージを込められるようにしたものです。
また、このプロジェクトの一環で、墨田区の保育園にお伺いして、子どもたちに手紙を書く大切さ、面白さを伝えてきました。
コロナウイルスってどんな病気?
今回、お邪魔したのは墨田区にある「すみだ中和こころ保育園」の4・5歳児のクラスです。
子どもたちが大好きなペープサート(紙人形劇)を使って、アマビエさまが「コロナウイルスとはどのような病気か」を教え、子どもたちに「どのようなことに気をつけていけば良いのか?」を質問形式で聞いてみました。
子どもたちは、ニュースで常に目や耳にする「コロナウイルス」という言葉の影響を受けているだけでなく、保育園でもコロナ教育をしっかりと受けています。そのため、コロナウイルスがどのような病気なのかについて、「せきがでる!」「かぜとはちがう!」と的確に答えていました。
なので、「どうしたら予防ができるのか?」に関しても理解していました。アマビエさまが大きなポスターを使って「手洗い・うがい・早寝早起き」を子どもたちへ教えると、「うんうん」とうなずき、中には「手洗いと、早く寝るのは頑張る!」と約束してくれる子もいました。
親しみやすいペープサートだからこそ、お子さんたちにもしっかり伝わったようです。
自分の思いを会いたい人へ伝えるには?
コロナウイルスについて学んだ後は、コロナウイルスによって会えなくなってしまった人に「自分は元気で頑張っている! 」と電話やメールでない方法で伝えるには、どうしたら良いのかを先生に質問され、悩む子どもたち…。そこで、日本郵便のぽすくまの登場です!
いまや自分の近況を伝えるためのツールは、インターネットやメール、SNSなど様々な方法があります。しかし、基本の「根本」で考えれば、やはり大切な思いを伝えるのは「文字」や「手紙」だと私は思います。
ぽすくまは、思いの込められた大切な手紙をしっかり預かり、受取人へ届ける大切な役目を担っている、と子どもたちに話してくれました。
そして、手紙を出す際に必要なのは「封筒」と「切手」です。なぜ、この2つが必要なのかを、ぽすくまから教えてもらい、真剣な表情で頷く子どもたち。「早く書きたい!」とワクワクしている気持ちがこちらにも伝わってきました。
成長をダイレクトに伝えられる「手紙」
ぽすくまが見守る中、実際に紙とペンが配られ、手紙の制作が始まりました。すみだ中和こころ保育園では、事前に手紙の交流活動が行われていたそうで、書くことに迷いがない子も多かったです。
しかし、いざ紙を目の前にすると構えてしまう子もいました。補助についてくれた先生に、自分の書きたい文字を伝え、書き方を教えてもらい、隣同士友達と話し合いながら内容を考える子もいました。
また、文字が書けずに悩み続ける子は、「字じゃなくて、かけるものを書けば良いんだよ。」と声をかけてもらうことで、そのプレッシャーから開放され、自然に好きな色のペンを選んで、自分の好きなものをスラスラと描いていました。
文字を書けなくても、絵や自分の学んできたものを表現するだけで、受け取る相手にはしっかりと伝わりますよね。これは、写真だけでは伝わらないし、リアルに書かれた(描かれた)ものだからこそ、相手にしっかり伝わるんですよね。手紙の良さはここにあるのではないでしょうか?
手紙は、読む人に「パワー」を与える
手書きの手紙をもらうとなぜか嬉しいですよね。
もちろん、写真やSNSにもそれなりの良さはありますが、「字は体なり」という言葉があるように、その人の心情やパワーは手紙だからこそ受け取ることができます。
幼児期から、「手書きの手紙=受け取る側が元気をもらえる」ということを学んでいれば、「書くのが面倒だなあ」で終わりになる事はありません。たまには、「手書きを楽しんでみよう!」という気持ちになり、「書く」という文化は生き続けると思います。
普段伝えられないことを、手書きにすることで、相手に伝わる気持ちが少し変化するかもしれませんね。
【小阪有花】2004年 ミスマガジンから芸能界へ。2009年に芸能引退後、保育コンサルを経て、2020年 総合制作会社cheer lead を設立。