叱っても、怒っても、話を聞いていない子どもには、どう対応する?【小阪有花さん連載34】

叱っても、怒っても、話を聞いていない子どもには、どう対応する?【小阪有花さん連載34】

こんにちは。子どもがいたずらや悪さをしたとき、叱っているのに、なぜか子どもはニヤニヤしていたり、笑っていたり、他を見渡したり、そんなことはありませんか? それを見て余計に腹がたち、強めに叱っても子どもは変わらない。どうしてか不意義ですよね。今回はそんな子どもの心理についてお答えします。(子どもの心スペシャリスト・小阪有花)

まわりにものが多すぎると、気が散る

子どもを叱る、怒る場面はどうしても出てきます。その時、どんなことを気をつければいいのでしょうか。

まず、叱っている時の部屋が子ども部屋だったり、おもちゃが転がっているリビングは、やめましょう。子どもは怒られて嫌だなと思いながらも、どうしてもまわりのものが気になってつい目を逸らしてしまいます。

遊んでいる途中のものがあれば尚更です。

話を聞かなくてはと思いながら、気持ちは別のところにあります。いくら大人が注意しても心には届きにくいので、叱ることがあった場合は、場所にも気を配らなければなりません。

今後は叱る場面に出くわしたときは場所をかえるようにしましょう。

ポイントはまわりに物がないことです。保育園だと、廊下でお話しすることもよくあります。

ただし、気をつくなくてはいけないのは、いけないことをしたからと暗いところに押し込んだりするのはよくないということです。
命に関わるよっぽどのことをした場合を除き、注意しなくてはならないものであれば、あくまでも話し合いや、本人に考える時間を与えることが好ましいでです。

必要以上の恐怖は根本から外れてしまい、何がいけなかったかと学ぶ機会をなくしてしまいます。恐怖体験に教育は度をこえたり何度もされることでトラウマになってしまう場合もあるので、気をつけたいところです。

子どもはどうやって叱ればいい?

構ってほしいから笑ってしまう

子どもが寂しがっている場合、わざといたずらをしてお母さんの気を引こうとする場合もあります。そういったケースであれば、むしろお母さんが怒るのは大成功なのでつい笑ってしまうものです。

子どもであることなのが、親や先生がかまってくれないと、「ねぇねぇ今何時?」 とやたら聞いてくる子もいます。時間ならすぐに答えてもらえるという子どもながらの知恵なんですね。

そういった子どもの単純な工夫は大人をイライラさせてしまうものですが、そんなそぶりが出てきたら、「最近子どもとゆっくりする時間を作っているだろうか?」と考えてみるといいとおもいます。

「もう怒らないで。ママ笑って」のサイン

これは意外な内容になりますが、怒っている親の姿を見て「もう怒らないで。ほら笑って」と笑顔を誘い出し、その場を終わらせようとする子どもながらの知恵の場合もあります。

これはけして少ない可能性ではなく、むしろよくある子どもの思考なのです。子どもはお母さんの笑っている顔が好きなので、それを誘い出そうとするんですね。

ニヤニヤしながら聞いている姿を見ると「この子、人の話を聞いてるのかしら?」と不安になったり、笑っている姿に負けてこちらも釣られて笑ってしまい、「もういいか……」なんてこともあったと思います。

これは、話が逸れるように子どもが考えた、注意をかわす術なのです。この場合、「注意したことは届いてないの?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。

怒っている大人に対して「怒らないで」と直接言えない代わりに、許してもらおうとする子どもなりの方法なのです。

とはいえ、注意しなくてはいけない時は、しっかり伝えることも親の役目。心を鬼にして、笑っても何も変わらないとう事実を淡々と伝えることも大切です

叱られても結局なんとかなると察している場合がある

ひょっとすると、怒られても笑っていたら許してくれる大人が、周りにいるのかもしれません。

お母さんが怒っても、おばあちゃんがすぐに止めに入ってきてくれるとなど、そういったことが子どもの緊張感をなくしている場合があります。

その場合、周りにも協力をお願いし、その方法は通用しないことを理解させましょう。そして本来、怒られていた理由と改善点を伝えるよう協力してもらいましょう。大人が一貫性のある行動をとることで、子どもは笑っても解決しないということを学ぶことができます。

時には心を鬼にして子どもと接する

これはあまり一般的ではありませんが、親御さんの中には、「本当にそれ注意しているの?」というレベルでしか子どもを注意できない親もいます。これは、親が子どもに嫌われたくないとか、うちの子は悪くないからと意見を曲げない親も少なからずいるのが原因です。

しかしこれは大変危険なことです。悪いことをしているのに悪いと気づけず笑っている時間を続けると、それがその子にとって当たり前の行動になってしまいます。その結果、お友達に避けられたり、大人になってからそういった部分がとれないでいると嫌われてしまったりと、子どもが辛い思いをすることになります。いけないことをしたら注意することは子どもを守るために行動なので、時には心を鬼にして子どもと接することも大切です。

まとめ

いかがだったでしょうか?

もし思い当たる節があるなと少しでも思った方がいたら是非、子どもとの新しいコミニュケーションを心がけていただけると幸いです。

小阪有花

【小阪有花】2004年 ミスマガジンから芸能界へ。2009年に芸能引退後、保育コンサルを経て、2020年 総合制作会社cheer lead を設立。