震災が起きてしまったら…知っておきたい事前準備と子どもへの対応策【小阪有花さん連載35】

震災が起きてしまったら…知っておきたい事前準備と子どもへの対応策【小阪有花さん連載35】

地震、大きな雷、台風など、相次ぐ自然災害で被災住民が避難生活を余儀なくされるケースが増えています。大人でもつらい状況は、子どもにとってはもっと不安でたまらないもの。今回は、自然災害に巻き込まれた子どもへの向き合い方、そして、家に置いておくべき子どもの防災グッズなどをご紹介したいと思います。(子どもの心スペシャリスト・小阪有花)

震災の際、子どもにどんな声かけをするべき?

突然の台風やそれによる二次被害。次に何が起こるか分からないと不安が押し寄せてきますよね。読者の中にも、昔、震災に巻き込まれた辛い経験をされた方もいるかもしれませんよね。 震災真っ只中の際は、少しでも子どもの不安を取り除いてあげるため、 「もう少しの辛抱だから頑張ろう」 「大丈夫、すぐにおさまるからね」 と励ましの言葉をかけると思います。何が起こっているかわからない子どもにとって、大人の声かけはとても心強く、子どもの心を救うものだと思います。

そんな時だからこそ、まず第一に、 「ずっとそばにいるからね」 「一緒にいるから大丈夫」 と声をかけてあげて欲しいと思います。

子どもは何が起こっているか分からない状態になると、一番恐れていることが頭をよぎります。それは、親や周りの大人たちがいなくなってしまうかもしれない、という恐怖心です。 この不安を膨らませないように、何が起きても“いつも一緒にいる”という安心感を与えてあげてください。 自然災害に巻き込まれた子どもへの向き合い方は?

起こっている出来事を丁寧にゆっくり伝える

時と場合、また、年齢にもよるのですが、もし可能な状態であれば、何が起こっているかについて話せることは話してあげましょう。 できることなら話さずにこの場を切り抜けたいと思う方もいるかもしれませんが、自然災害は終わりがわからないものです。見えない終わりと戦わなくてはならないのは子どもも同じ。

だからこそ、今なぜこういう状況になっているかを、話せる範囲で話しておいたほうが良いかもしれません。 子どもを子ども扱いせず、しかし甘えられるような状態は作る。それはとても難しいことですが、そうすることで、一時的に不安は高まるかもしれませんが、子どもなりに今の最善を考えられるようになります。 何より、危険な場所に行ってしまわないよう、危機回避につながります。

保育園での防災訓練を思い出す

話をする際、地震や火事などの災害について「保育園で習ったことを覚えてる?」と問いかけてあげると良いかもしれません。 保育園では月1回、避難訓練を行なっているので、練習したことがあるという事実が子どもの心に少し余裕を生んでくれる可能性があります。また、子どもに初めての事柄を説明する時は、口頭だけでなく絵を描きながら説明してあげるとわかりやすいです。

自然災害について解説した絵本もたくさんありますので、普段から読み聞かせてあげることも大切です。 私は保育園で働いていた当時、キティちゃんが地震について説明してくれる絵本をたまに読んでいました。子どもにとって非現実的な災害が起こったとしても、「キティちゃんはみんなと一緒にいれば大丈夫って言ってた」と希望を与えることができるかもしれません。

ごっこ遊びは精神的な救いになる

自然災害で多くの人が不安や恐怖と闘っていても、無邪気な子どもたちの中には「地震だー!」「川の水があふれたぞー!」などと、災害を再現するような“ごっこ遊び”をする子もいます。

不謹慎だと思って慌ててやめさせたり、叱ってしまいそうになりますが、実はこれは子どもなりの精神療法なのです。子どもは大人と違い、つらい時こそ笑顔でいる、といった行動がとれません。嬉しい時には笑うし、悲しい時は泣いてしまいます。それが普通なのです。  

ですが、この恐怖体験を子ども同士でごっこ遊びとして共有し合う行為は、大人で言うところの“つらい時こそ笑顔で”と同じことなのです。無理にやめさせると、かえって不安をあおることになりかねません。  

それよりは一緒に参加して、「地震がきた時はどうするんだっけー?」と、遊びながら今後の対策を伝えていければベストです。  

とはいえ、子どもたちが騒いでる横で被害に遭われて苦しんでいる方もいるかもしれませんので、周りへの配慮は忘れないようにしましょう。

自宅に保管しておくべき防災グッズのご紹介

 自然災害は完全に防げるものではないですし、予期せぬことが起こってしまうかもしれません。だからこそ、大人はもちろん、子どもたちにも日ごろから伝えられることは伝えておく必要がありますし、家族全員が生きていけるよう対策をしなくてはなりません。  

私も東日本大震災の時、保育園で子どもたちをテーブルの下に誘導したものの自分が入るスペースが確保できず、「もし建物が崩れて自分が死んでしまったら、誰が子どもたちを守るんだろう」と不安になったことを覚えています。  

大人も対策できることはなるべくして、子どもたちと向き合っていただければと思います。 こちらは、子どものために保管しておくべき防犯グッズになります。まだご用意がない方は是非こちらを参考に準備してください。

  • おむつ
  • おくるみ
  • 圧縮袋
  • おしりふき
  • 離乳食、おやつ
  • 発熱剤
  • 保存水
  • ミルク
  • 歯磨きシート
  • 使い捨て哺乳瓶
  • 着替え
  • 集中できそうなおもちゃ
  • 母子手帳、お薬手帳
  • 子ども用おやつ
  • 軍手

こちら最低限のものになりますので、子どもに合わせて用意するのがよいと思います。 予期せぬタイミングで怒るのが震災です。色々考えてしまうと不安になりますが、起こってから後悔することがないように事前知識をつけることは大切なことです。是非参考にしてみてくださいね。 小阪有花

【小阪有花】2004年 ミスマガジンから芸能界へ。2009年に芸能引退後、保育コンサルを経て、2020年 総合制作会社cheer lead を設立。