地方で保育士をしている皆さんなら、一度は「いつかは東京で働いてみたい」と思ったことがあるのではないでしょうか。筆者もその一人でした。実際に、地方から東京へ上京して転職をした筆者が、東京で保育士をするメリットをご紹介します。(元保育園園長・藤森みずほ)
メリット1.保育士の平均年収が高い
メリット2.上京サポートが手厚い
メリット3.借り上げ社宅制度がある
メリット4.小規模保育ができる施設が多い
メリット5.20代で園長や主任が目指せる
メリット1 保育士の平均年収が高い
東京の保育士は給与が高いというのは言わずと知れた事実です。
2019年度の賃金構基本統計調査によると、東京都の女性の保育士の平均年収は約414万円となっています。
1番低い岐阜県は284万円なので、その差は130万円です。ちなみに、全国平均は362万円となっています。
なかなか給与が上がりづらい保育士。給与水準が高い地域への転職で、確実な年収アップが見込めます。
保育士(女性)の平均年収は?(都道府県別)
東京都 414万円
滋賀県 401万円
神奈川県 388万円
千葉県 387万円
福岡県 381万円
(中略)
全国平均 362万円
(中略)
香川県 312万円
佐賀県 305万円
宮城県 301万円
新潟県 289万円
岐阜県 284万円
出所:2019年度の賃金構基本統計調査。保育士(保母・保父)(女)の、平均給与年収(「きまって支給する現金給与額」+「年間賞与その他特別給与額」)を計算。
メリット2 上京サポートが手厚い
東京都内の保育士の有効求人倍率は、令和2年4月時点で3.41倍(全国平均は2.45倍)と依然として高い数値となっています。
そのため、保育士獲得に向けて、多くの自治体や法人が就職時のサポートを手厚くしており、上京したい保育士向けのサポートを充実させている法人もたくさんあります。
私が上京したときに利用した、法人独自の上京サポートをご紹介します。
- 面接のための交通費全額支給
- 引っ越し業者の手配と費用の全額補助
- 敷金、礼金の全額補助
- お祝い金20万円(現在は、転職斡旋会社などがお祝い金を支払うことは厚生労働省から禁止されています)
この他にも、勤務地の自治体独自の準備金として10万円の支援があったため、貯金が全くない状態でも安心して上京することができました。転職サイトなどを活用することで最新の情報が得られますので、上京サポートを上手に活用してみてください。
参考:厚生労働省「保育士の有効求人倍率の推移」
参考:東京都「保育人材確保の取組について」
参考:「保育士確保集中取組キャンペーン」(2019年度)
メリット3 借り上げ社宅制度がある
「東京は家賃が高い」というのが上京するネックになっていませんか? 私もそうでした。
東京都では現在、保育士の確保や離職防止を目的として、国や自治体が住宅費用を補助する「保育従事職員宿舎借り上げ支援事業」という制度が設立されています。
補助金額は東京都で最大月額82,000円なので、物件によっては住居費を1万円以内収めることも可能です。実際に、筆者が上京した際は90,000円の物件を見つけることができたので、自己負担は毎月8,000円でした。地元で働いているときにはなかなか難しかった貯金も、無理なくできるようになりました。
また、自治体によっては独自に上乗せして、保育士支援を強化しているところもあります。例えば、千代田区は補助金額を月額130,000円まで引き上げています。借り上げ社宅制度を利用すれば、最小限の自己負担で都心に住むことができますよ。
メリット4 小規模保育ができる施設が多い
保育士求人における東京と地方の大きな違いの一つとして、「小規模保育事業の求人数」が挙げられます。
地方では、定員100名以上の大規模園が主流ですが、土地の確保が難しい東京都内では60名~80名の中規模園が多いです。さらに、小規模保育ができる、小規模保育室・院内保育・病児保育・認証保育室などの求人が圧倒的に多いのが特徴です。
小規模保育の働き手のメリットは、運動会やお遊戯会など大きな行事がほとんどなく、日々の保育に集中ができるところです。小規模保育室は定員が6人から19人と少ないので、アットホームな環境で一対一の手厚い保育が可能となります。
また、3歳児になるまでの待機児童対策として設置された施設も多く、0~2歳児までの預かりに限定している保育室が数多くあります。乳児保育を専門にやりたい保育士にもおすすめです。
メリット5 20代で園長や主任が目指せる
保育士のキャリアアップを考えるなら、東京がおすすめです。園長や主任になりたいと思っても、地方では役職のポジションは固定されていて、20年以上働いても昇進しづらい現状があります。
東京都では毎年1,500園ほどの保育施設が開設されており、当然その施設ごとに園長と主任が必要になります。ですから、役職者の求人も数多くあります。
自治体や法人の規定の違いはありますが、小規模保育室の園長なら実務経験2年以上で可能な場合が多いです。認可保育園でも5年~7年の実務経験で就任可能な場合が多いので、20代で中・大規模園の園長を目指すことも可能です。
今すぐでなくても、近い将来に園長や主任に挑戦したいと持っている人はぜひチャンスの多い東京への転職を検討してみてください。
まとめ
現在、ここにあげたメリットを理由に多くの保育士が地方から上京しています。1つの保育園の9割が地方出身者という施設も少なくありません。
住み慣れた土地を離れる寂しさもあると思いますが、賃金の不満・将来のキャリアに関する不安は、東京での転職で解消されることも多いです。
まずは転職サイトに登録して、実際の求人をリサーチすることからはじめてみましょう。面接をサポートしてくれる人材紹介会社も数多くありますので、興味のある求人があれば相談してみてください。
話を聞いてワクワクすることができたら、それはGOサイン!ぜひ新しい環境にチャレンジしてみてください。
【藤森みずほ】現役の看護師で保育士。看護師長や保育園園長の経験者。笑顔で働き続けたい女性のためのキャリアコーチとしても活動中。noteを運営中。
(マメ知識)保育士転職サイトは複数登録しよう!
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