東大生など高学歴の学生ベビーシッター「クラウンシッター」で非認知能力が高まる!?

東大生など高学歴の学生ベビーシッター「クラウンシッター」で非認知能力が高まる!?

「AI時代が到来する中で、子どもの非認知能力(想像力、表現力、やり遂げる力など)を高めたい」。近年そんな保護者が増えているなかで登場したのが、東京大学の学生など、高学歴の大学生がベビーシッターをする「クラウンシッター」です。サービス開始からまだ1年ですが、注目を集めつつあります。取材時には、無料トライアルも受けてみたので、その体験も紹介しましょう。(保育園まるごとランキング編集部)

非認知能力が重要

近年、AIの発展が社会を変えると言われています。AI将棋、AI囲碁が、トップ棋士を破ったようにAIの成長は著しく、人間の役割も変えるかもしれません。

そんな不確かな時代だからこそ注目されているのが「非認知能力」です。壁にぶつかったときにそれを乗り越える発想力を持っているか、失敗から学んで挑戦する粘り強さなどが必要になっていきます。特にこうした非認知能力は小さい頃に育むことが重要です。

クラウンシッターのサイト

クラウンシッター(東京都目黒区)は、プレミア感の高いベビーシッターサービスです。ベビーシッターと言っても、単に子守りをするだけでなく、子どもの非認知能力を伸ばすことを目指します。  
特徴は以下の2つです。

  • 厳しい審査を通った才能溢れるシッター
  • 独自開発した「クラウンメソッド」でシッティング

従来、ベビーシッターというと「子どもが可愛そう」と周りから見られがちで、罪悪感を持ってしまうために利用を控えるという保護者も多い業界でした。また、ベビーシッターをするのが年上の女性であることから、預けにくいという声もあります。

そこで、「ベビーシッターのイメージを一新して、利用しやすく、明るくて、未来につながるサービスを考えた」(クラウンシッター)といいます。

才能溢れるシッター

では、具体的にはどんなシッターが来るのでしょうか。
クラウンシッターによると、「ベビーシッターとなるのは、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学などの大学生や、その卒業生が中心です。高学歴なだけでなく、半分近くが帰国子女、英語のバイリンガルで、ピアノなどの楽器が弾けるシッターも多数在籍しています」とのことです。

実際、編集部で無料トライアルを受けたときも慶応大学の学生がシッターに来てくれました。

クラウンシッターのシッター基準

また、ベビーシッターを頼む上で、気になるのがその品質です。ベビーシッターサービス大手のキッズラインでは、子どもへの「わいせつ事件」が問題となりました。

「当社はマッチングサービスではなく、我社が採用した学生がシッターサービスを提供します。また、採用面接では人を厳選し、わずか25%の通過率です」(クラウンシッター)。

さらに、在学証明書の確認、経歴照会(犯罪経歴)などもできる限り行い、採用後も、充実した研修を行っているといいます。

ベビーシッターの質の面では、工夫しているといえそうです。

独自開発した「クラウンメソッド」

クラウンシッターのメソッドは独自開発したものです。

2000年にノーベル経済学賞を受賞したヘックマンによると、「非認知能力」こそが、将来の社会的成功に結びつきやすいという結果が出たとしています。そこで、主体性、想像力、表現力、やり抜く力、自己肯定感などの「非認知能力」を高めることを主眼としました。

実際のサービス開発は、モンテッソーリ教育で有名な百枝義雄(ももえだ・よしお)氏の協力を得ているほか、実際の保育経験も参考にしたとしています。

では、具体的にどんなベビーシッターなのでしょうか。

ベビーシッターなので、子守りの要素もありますが、それだけでなく、独自開発したグッズを使って子どもに様々な体験をさせます。そして、終了後には、詳細なレポートを提供して、子供の非認知能力を診断してくれます。

サービスの特徴は、以下の通りです。

  1. 遊びに没頭するための「クラウンボックス」の提供
  2. 「子どもが決める」を徹底した接し方
  3. 成長の変化を追う分析レポートの提供

では、実際のサービス体験を見ていきましょう。

子どもはリラックスしてチャレンジ

「ピンポーン」

体験サービスをお願いしたところ、やって来たベビーシッターさんは、慶応大学の現役学生の蔦さんでした。素敵な笑顔で、物腰の柔らかいベビーシッターさんです。今回シッター受けた5歳の子どもLちゃんは、最初は緊張気味でしたが、ベビーシッターさんの落ち着いた雰囲気で、すぐに緊張が溶けました。

クラウンシッターの実際の様子
子どもは、すぐにベビーシッターになれました

「クラウンボックス」とは?

ベビーシッターが持ってきたのは、「クラウンボックス」と呼んでいるコンテンツです。メーンとなる絵本のほか、折り紙、モール、風船、わりばし、色鉛筆などの工作用の道具も入っています。

物語は、主人公の男の子・ココロンが、様々な星を冒険するというもので、子どもが一緒になって冒険しながら、することで、子供の非認知能力を図り、高めていくのが狙いです。

体験の日は、宇宙に行くためのロケットづくりがテーマでした。ロケットづくりといっても決まったものがあるわけでなく、子どもの自由な発想で作っていきます。お手本がありません。Lちゃんは最初、見本がないことに戸惑っていましたが、自由に自分で発想していいと分かると、楽しそうに色紙を選び始めました。最終的に、3枚の画用紙を使って、1枚目はロケット本体、2枚目は噴射する火を描き、3枚目は宇宙船の休憩する駐車場まで描いていました。

「子どもが決める」を徹底した接し方

ベビーシッターは、子どもと接する際、徹底して、指図をしたりはしません。絵本を読んで、「ココロンが宇宙に行こうとしているよ! Lちゃんはどうしてあげたい」と疑問を投げかけます。それに対して、子供の自己主張や考えを引き出す訓練をしています。

また、活動の中で子どもが疑問を持ったり、興味を持ったことがあれば、それに答えながら質問を発展させて、好奇心を活性化させます。

Lちゃんの場合、ロケットの人書いている時、「この火って何度くらいあるんだろう?」とベビーシッターに質問しました。

ベビーシッターが、「大体3000度くらいあるよ」と答えると、そこから部屋の中にあるものの温度クイズになり、「自分の体温は36度だ!」「部屋の温度は25度!」「冷蔵庫は何度?何度になると水は凍るのかな?」などと、調べ学習に発展しました。

子どもはリラックスして、いろいろなことにチャレンジしました
子どもはリラックスして、いろいろなことにチャレンジしました

お仕着せの学習ではなく、子供の興味に合わせて様々な引き出しを用意しておき、子供の興味を更に引き出すという接し方を徹底しているようです。こうした行動をアシストしてあげることで「自己肯定感」が養われていくといいます。

成長の変化を追う分析レポート

ベビーシッターは2時間ほどで終了。Lちゃんは、よほど楽しかったらしく、「また来てね」と言って、ベビーシッターの蔦さんとサヨナラをしました。
翌日、クラウンレポートと呼ばれる、詳細なレポートがラインのメッセージで届きました。

クラウンレポートのサンプル
クラウンレポートのサンプル

当日の子供の様子が多数の写真入りで説明してあるだけでなく、非認知能力がどう発揮されたのか、そして非認知能力を育成するためにどんなことが課題として考えられるのかなどが記されていました。

クラウンレポートのサンプル
クラウンレポートのサンプル

ベビーシッターの蔦さんからはこんなコメントもありました。

綿あめに使っていた青い風船は、Lちゃんが膨らませてくれました。『自分で膨らます!』と顔を真赤にしながら、なんどもなんども挑戦している様子が印象的でした。


【意欲】意欲とは進んでなにかに挑戦しようとする心です。幼少期に様々なものや活動への意識を持つことで、経験が多様になっていきます。それにより、『その子らしさ』を伸ばすことに繋がります。

また、保育士21年の経歴を持つベテラン保育士からの分析レポートも付いていました。以下がその一部です。

ベビーシッター蔦さんの観察記録『色や形の順番・配置を意識して描いている様子見見られました』から分かること
・5才児の規則性・法則性
幼児の論理的な思考法の分類では、5才児は『規則性・法則性』での視点が高いことがわかっています。Lちゃんの場合、遊びの中で法則性を意識しており、このような行動に現れたと考えられます。
・今後の成長課題
日常生活の中では、因果関係や規則性があるものをみつけたときに『どうしてこうなっているんだろう』『他に理由はあるのかな』等、思考を深める声がけをするといいでしょう

以上が、クラウンシッターを実際に使ってみた体験です。

高学歴の大学生とはいえ、大学生でシッターができるのかと思いましたが、シッターの経験もあり、子供への対応も落ち着いていて、子どもも安心して遊びに没頭できました。

またクラウンレポートは、ベビーシッターの本人だけでなく、ベテランの保育士による分析も入っており、作り込まれているという印象でした。

Lちゃんの非認知能力について、多面的に分析されていました。とはいえ、非認知能力は数値化が難しく、どう成長させていけばいいのかは難しいところで、その面でのさらなるサービス改善の余地があるでしょう。ただし、非認知能力を図る手立てが少ない中では、手がかりの一つとなりそうです。

ベビーシッターが必要な時、単に普通のベビーシッターを頼むのではなく、こうした付加価値のあるベビーシッターのニーズも今後、強まっていきそうだなとの印象を持ちました。

サービスの概要など

サービスの概要は以下の通りです。気になる場合は、無料のトライアルシッティングを受けてみるといいでしょう。

  • サービス名クラウンシッター
  • 対応時間帯=14時〜21時 *週末は全日対応
  • シッティング時間=3時間、4時間、5時間
  • 対応年齢=3歳〜9歳
  • 預かり人数=1人〜2人 *2人の場合は通常料金の1.5倍
  • 入会金・年会費=無料
  • 料金=週1回プラン(3時間)49,800円(税込) 週2回プラン(3時間)99,800円(税込)