「保育園に行きたくない我が子」を説得するための、コミュニケーション術を紹介!

「保育園に行きたくない我が子」を説得するための、コミュニケーション術を紹介!

 
 保育園へ行き始めると、子供が「保育園へ行きたくない」とごねることがしばしばあると思います。そんな時に皆さんはどのように諭したり、対処したりしていますか? 実際の子育てをしている保護者から聞いた、「有効だったコミュニケーション術」をまとめてみました。

 毎朝、子供に「保育園に行かないとダメだよ」と諭しても、子供は「いやだいやだ」の一点張りで、ごね方もエスカレートする一方になるという体験をした保護者の方は多いでしょう。
「なぜ自分の子供はいうことを聞かないの?」「どうしたらいうことを聞いてくれるの?」と悩むことも多いと思います。その解決方法もわからないので自然と語気が強くなり、怒っていうことを聞かすという力技に頼ってしまいます。

 最後は泣き叫ぶ子供を無理やり保育園に連れて行き、カオス状態になっている子供を保育園に預けます。朝から疲れるだけでなく、保育園に申し訳ないのとも相まって、保護者は大変つらいですよね。
「ほかの親はどうやって解決しているんだろう」と気になる方も多いと思いますので、ここでは会話を中心とした子供とのコミュニケーション術を紹介します。

「大好きなママと離れたくない」のがごねる理由

  子供がいうことを聞かないのには、理由があります。「保育園に行きたくない理由」としては、例えば次のようなものがあります。

 ・大好きなパパやママと離れたくない
 ・家にあるおもちゃで遊びたい
 ・前の日、保育園で嫌なことがあった
 ・先生や友達に苦手なひとがいる

 子供は親に自分の気持ちをわかってほしくて行動を起こすことがよくあります。子供が欲している対応をよく聞いてあげて、何を訴えたいのかを理解することが子供を説得する第一歩です。

「説得」してはダメ! 「誘導」するべき

 そして重要なのが、「どうやって子供をなだめ、説得するか」です。ただ、この件に関しては説得するのが目的ですが、ここでは「説得」というよりも「誘導」という言葉を使いたいと思います。

 その理由は、子供を諭して説得することは子供の気持ちを誘導していくよりも難しいので、親としても子供の気持ちを誘導するという心持で接する方がうまくいくからです。子供は自分が説得されていると感じたところで心のシャッターが閉まってしまいます。

 ごねる子供が「ママに行けと言われたから行く」となる結果はほとんどありません。なので、必要なのは「仕方ないな、行くか」という気持ちに誘導することが一番の近道です。

まずは、会話から始める

 では、実際にはどうやって子供とコミュニケーションすればいいのでしょうか。

 子供の気持ちの誘導するために大事なことは、会話を始めることです。子供がいうことを聞かない理由の一番大きなものは「全部が自分の思うようにいかない」という子供自身の思い込みです。

 私たち大人でも、自分の思い通りにいかないことだけが目について、全てがうまく行かないと思ってしまうことがあります。なので、その思い込みを会話することで少しでも和らげることが大切です。
 まずは子供の言い分を聞いてみましょう。

「どうして保育園に行きたくないの?」

 そう聞くと子供は「家で遊びたいから」とか「前に嫌な思いをしたから」とかなんとなくわかる理由をいうかもしれません。理由をちゃんと言えれば、そのことに対して会話ができるので、そこから子供がどうやって誘導するか考えることができます。

自分のエピソードを話して、子供に寄り添う

 逆にうまく理由が言えないこともあるでしょう。「どうしても」とか「秘密」といった意味のない答えかもしれません。理由がわからない時は、ほかの人を主語にして話してみましょう。親である自分のエピソードでもいいですし、従兄弟や友達などの知っている子供のエピソードでもいいので子供の気持ちに寄り添った話をしてみましょう。

 例えば、
「ママが子どもだったとき、◯◯ちゃんと同じように、保育園行きたくなくなっちゃって、行きたくないって泣いたことあったんだよね。その時、ママのママに怒られて、結局引きずられるように連れて行かれたの。ほんと、あの時はすごく悲しかったんだ。あの時はいつも意地悪するお友達がいたから、ほんとに行きたくなかったんだけどね」
 などという話をしてみると、「どんないじわるされたの?」とか、「僕もそうなの」とかいった会話が始まるかもしれません。そういう会話が始まると、うまく子供の気持ちを誘導できるかもしれません。

 このように会話を始めるためには子供に自分が説得されているという印象を与えてはいけません。
「○○ちゃんはいつもいい子にしているんだって」という話をすると、直接ではなくても子供は良い子にしてない自分が悪いと言われている雰囲気をしっかりと汲み取ります。そうなってしまうと元のもくあみです。あくまで子供が自分の意見に賛同していると思うような会話を作りましょう。

子供との会話の中で保育園に行く気持ちを作る

 会話が始まるといろいろなことが見えてくると思います。もしかしたら本当にいじめられていたり、保育園に問題があったりするのかもしれません。そうなると、保育園の先生に相談したりして根本的な解決策を探さないといけないかもしれません。そんな時は「ママも一緒に先生にちゃんと言ってあげる」と言ってあげましょう。子供の気持ちも晴れて気持ち良く出発できるでしょう。

 「ママと離れたくない」と言われる場合は対応が一番難しいですが、「そうだね、ママも○○と一緒にいたいな」と同じ気持ちだということを伝えましょう。そのうえで、でも自分もお仕事に行かないといけないことを「じわりじわり」と伝えましょう。今日は早く迎えに行くことや、ご飯に子供の好きなものを作るといった自分が子供の喜ぶ努力することを伝えることも、子供の気持ちを軽くすることがあります。

 いずれにしても、子供を誘導するにはあくまで「自分は子供の味方だ」という姿勢で会話をする必要があります。誘導の話の時にも書きましたが説得されていると子供が感じた時点で、子供は元のだだっ子に戻ります。

「ママは味方だけども保育園に行かないといけない。それは仕方ない」という感覚に子供がなることが重要なのです。

子供に「自分の形見」を作って渡す

 そうはいってもどうやっても誘導にも説得にも失敗することもあると思います。そんな時はもう諦めて何とか保育園に連れて行って保育園の先生に任せましょう。保育園の先生はそういうことに対してもプロフェッショナルです。うまく対応してくれるはずです。

 そんな時でも、あなたにもできることはあります。保育園に着いたら折り紙でもぬり絵でも何でもいいので、子供と一緒に何か形に残るものを作ってあげましょう。そして出来たものを「これをママだと思ってね」と言って渡すのです。それがあるだけでも「ママは自分の味方だ」とわかってくれます。そしてママがいなくなっても、『ママと一緒に作ったもの』があることで少しばかり心が落ち着く拠り所にもなります。

 いかがでしたか。子育てをしているといろいろなことが起きます。いろいろな情報を活用して、よりよい子育てに役立ててもらえたらと思います。
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