【保育士向け】はじめての担任時の心の準備を教えます〜乳児編〜【小阪有花さん連載12】

【保育士向け】はじめての担任時の心の準備を教えます〜乳児編〜【小阪有花さん連載12】

新年度のクラス発表があるこの季節。保育士さんは、自分が何歳児の担任になるのか、まさにドキドキワクワクかと思います。同時に、「もしこの年齢のクラスになってしまったら…」「初めての年齢の担任になってしまったらどうしよう」といった不安もありますよね。新学期が始まる前には様々の準備がありますが、まず一番最初にやるべきことは心の準備です。今回は、「年齢別の担任になるためにしておくべき心の準備〜乳児編〜」をお伝えしていきます。(子どもの心スペシャリスト・小阪有花)

0歳クラスを担当する時の心構え

初めての0歳クラスは喜びより不安な気持ちの方が大きくなると思います。命を預かる覚悟をダイレクトに感じるクラスだからです。

0歳児

しかし、0歳クラスの良いところは保育士の数が充実しているところ。保育士1人に対し見れるこどもは3人までと決まっているので、もし赤ちゃんが4人だった場合は保育士2人で面倒をみれることになります。

また、0歳クラスは、園長室や事務室など、クラスとは関係ない、他の大人が近くにいる部屋に設置されていることが多いのも特徴だと私は思います。なので、困ったことがあった時はサポートを頼める人が近くにいるということを忘れないで下さい。もし、そうでなかったとしても、0歳クラスには自分が初めてだった場合でも、他の先生がベテラン保育士であったり、子育て経験がある人、看護師免許などを持っている方などが配属されるクラスでもあります。それらの理由から、はじめての0歳クラスでも、常に学ぶ精神をもち、子どもと接していけば、わずか数ヶ月でもまるで本当のお母さんかのようになれる先生が実はたくさんいます。

他にも、初めてのハイハイや言葉のはなし始めなどを体感できるのも0歳クラスならではですので、たくさんの感動も実感できるでしょう。

不安も多くプッレシャーも感じるクラスですが、学びも感動も多いクラスなので、先生たちとの連携プレーを意識しながらこどもたちと接してください。

1歳クラスを担当する心構え

これも私の持論になりますが、もし全国の保育士さんに「何歳クラスが大変か?」とアンケートを取ろうものなら、間違いなく1歳クラスに票が集まるでしょう(笑)。それくらい、一歳クラスは気力、体力、集中力が問われるクラスなのです。

自分が1歳クラスの担任だった頃、道路をまっすぐ歩けない子に対し「危ないからまっすぐ歩くことに集中しよう!」と本気で言ったら通行人の方に笑われた経験があります。それくらい、子どもの一つ一つの動きに本気で向き合わないといけないのです。

1歳児

とくに、1歳クラスの上半期は、もう言葉にならないくらい大変の一言です。食事、着替え、排出は補助が必要ですし、お散歩に外に出る時も、歩きたがる子とそうでない子がくっきり別れます。体力もこどもによって全然違うので散歩コース選びも間違えたら悲惨なことに…。更に、1歳児は人見知りも始まっているので朝、お母さんと離れる時泣いてしまう子も1歳クラスが一番多いです。と、このように1歳クラスはとにかく大変であるという覚悟は絶対に必要です。体力仕事につくと思って、夜も夜更かしせず、しっかりとパワーを温存しておいてください。

しかし、それら全ての苦労を丸め込んでしまうくらい、とにかく子どもが可愛いのも1歳クラスの特徴です。言葉が音ではなく会話に発展していくのも1歳あたりから。その言葉はまだおぼろげで、「かわいいね」も、「かあいいね」と柔らかい言葉がたくさん飛び出してきます。一番大変な年齢にもかかわらず、一番可愛い年齢でもある1歳クラス。是非、大変である覚悟をしながらも、こどもたちの可愛さを存分に味わってください。

2歳児クラスの心構え

2歳は乳児にはいりますが、乳児といえど自分の意思は何らかの方法でしっかりと伝えられますし、早い子はイヤイヤ期に入ります。

また一人の子がイヤイヤ期に入るとそれを真似して周りの子もイヤイヤと言い出し、イヤイヤ連鎖を発動させ先生を困らせてしまう子がでてくるのも、2歳児クラスならではだと思います。しかしそれは、イタズラやマネっこといった遊びの一種。0歳から見ている子どもであれば、むしろ胸が熱くなる瞬間でもあるでしょう。

2歳児

しかし、そういった頭を使ったやりとりができる2歳児クラスは、やはり一筋縄ではいきません。それでも、1歳児と確実に違うのは、お話しを聞いた上でしっかりコミュニケーションがとれることです。子どもの成長は凄まじく、4、5月には会話が出来なかった子も、日を追うごとに言葉の数を増やしていきます。また、食事や排泄等も自分でできる子が増えるので、先生もあえて見守っているだけの時間も増えていきます。

また、体力もついてくるのでかけっこなども思いっきり楽しめます。そう考えると、こどもと初めて本気でぶつかっていくのもこの年齢なのかもしれませんね。

2歳児クラスの心構えとしては、とにかく自分もこどもたちと本気で遊び、ゆったりした時間よりも元気な1年をおくれるよう体力づくりもしておくといいでしょう。

次回は、幼児編として3歳〜5歳クラスの心構えをお伝えします。

【小阪有花】2004年 ミスマガジンから芸能界へ。2009年に芸能引退後、保育コンサルを経て、2020年 総合制作会社cheer lead を設立。