話題の「経皮毒」って何? 健康についての考え方を見直す機会に【小阪有花さん連載16】

話題の「経皮毒」って何? 健康についての考え方を見直す機会に【小阪有花さん連載16】

みなさん、経皮毒という言葉は聞いたことありますか?漢字をみただけで心配になり、子どもの健康を考える親としては知らないまま目をつむることができないものなのでは?と感じますよね。今回は、経皮毒とはどんなものなのか?そして、健康についてのどんな風に向き合っていくべきなのか、今回は私個人の視点でお話ししていきたいと思います。(子どもの心スペシャリスト・小阪有花)

そもそも経皮毒ってなに?

経皮毒とは、日常使われる製品を通じて皮膚から有害性のある化学物質が吸収されることをいいます。一言でいえば、体に悪影響をあたえる毒みたいなものです。

毒と呼ばれる有害物質や化学物質が体内に入るには、主に3つのルートにわけられており、食べ物や水を介して口から入る経口吸収ルート。空気を介して吸い込む経鼻吸収ルート。皮膚から入り込む経皮吸収ルート。と呼ばれています。

経口吸収と経鼻吸収に関しては、名前は知らずとも、そうゆうものはあるだろうと感じながら生活をしてきているかと思います。しかし、皮膚から入り込む経皮毒に関しては認知していなかった方もいたのではないでしょうか。

経皮毒による健康被害が気になる(出所:photo ac)

経皮毒ってどんな症状があると言われている?

経皮毒の症状は、免疫力を弱め、皮膚の炎症やアトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息など、アレルギー性疾患の原因のひとつになっていると言われています。原因は、肌にはバリア機能があるため、細菌などの外部からの攻撃から守ってくれますが、危険な合成界面活性剤などの化学物質は、そのバリアを破って体内に侵入してくると言われ、脂肪や血流に溜まりやすいようです。

また、一説によると、経皮毒は、子宮に溜まってしまうと言われおり、妊娠中であれば、お腹にいる赤ちゃんにも経皮毒が濃縮されてアトピー性皮膚炎など免疫力が弱い赤ちゃんが生まれてきてしまう可能性が高くなると言われているようです。

経皮毒について語られる影響はそれぞれ違うものだった

経皮毒について簡単ではありますが、説明させていただきました。私自身、この言葉を聞いた時は、自分が妊娠した時は注意しなくてはならないし、「自分の肌荒れも経皮毒が原因?」と考えました。しかし、気になって色々調べると、気になる点が出てきたのです。

経皮毒に対しての恐ろしさを語る出版物も多数あり、経皮毒が原因で芳香剤の香りがする羊水を経験された産婦人科医の方や、生まれてきた赤ちゃんにシャンプーの香りがする泡がついていたなどのエピソードもネット上で書かれています。しかしその一方で、そんなことは起こらない。経皮吸収をしたとしても、身体にたまることはまずない。と語る産婦人科の先生多くいるということでした。

そもそも、経皮毒という言葉は、正式な医学用語ではないそうです。経皮毒を警戒される方がいる中、そんなことを気にしてストレスを抱える必要はないと語る産婦人科医もいます。まさに情報過多社会。何をどう信じればいいのか、わからないのが逆に不安を誘い込むと感じました。

なお、医学会、厚生労働省などからは、経皮毒については公式な見解は示されておらず、確実で確かな建国被害が確認されたとは言えない状況のようです。

※参考 日本家政学会誌「安全性・環境問題に関する消費者情報の課題 大矢 勝

まずは自分や周りがもっているかもしれないアレルギーに気をつけて

どの情報を信用しよう?と考えてしまうと思いますが、実際、経皮毒までとはいかずとも、化学物質によって咳が止まらなくなる例も多数ありますし、私自身香りのきつすぎる芳香剤の香りを長時間嗅ぐと頭痛を引き起こします。

また、化学物資が多く含まれるものに長く触れることで肌荒れになる化学物質アレルギーなど、実際に症状として現れるものも存在するので、自分が使うものは気をつける必要があり、自分の体質にあったものや使う物に意識をむけるのは大切なことだと思います。

健康過剰貧乏にならないよう自分の生活と相談しながら取り入れましょう

色々お話はしましたが、現段階、経皮毒に対し、「絶対こうしなくてはならない!」という方針などはありません。そこを過剰に気にしすぎて、自分を追い込んでしまうことがないようにしましょう。私の友人で、「とりあえず現段階わからないならすべてオーガニックにして不安の目を摘んでおこう!」という考えの方もいます。行動の否定はしませんが、オーガニック商品も、けして安いものではありません。万が一、健康過剰貧乏になってしまい、そこにお金をかけすぎて、食費を削ってバランスの悪い食生活になってしまうようなそちらの方が恐ろしいことなので注意してください。

私が考える健康は、やはり体によいバランスのとれた食生活が一番であると考えます。そこから自分ができる子どもや自分にとって良い健康法はどんなものだろうと考えるべきと私は考えます。

私が今回感じたこと

結論としては、私自身、経皮毒を心配することをきっかけに、

「自分はどんなものに弱いのか?」
「世の中がよしとされているものが自分にとっては本当にいいものなのか?」

を改めて考えるきっかけをもらいました。他にも、

「自分や子どもの今の生活が体に良いことを出来ているか?」
「必要以上に柔軟剤を使いすぎていないか?」
「それにより子どもの肌に異常がないか?」
「オーガニックに過剰に反応しすぎていないか」

など、生活の見直しのきっかけをしてもらえたらと思いました。情報過多時代であるからこそ、情報優先ではなく、自分の体と向き合うことを心がけていただける幸いです。

【小阪有花】2004年 ミスマガジンから芸能界へ。2009年に芸能引退後、保育コンサルを経て、2020年 総合制作会社cheer lead を設立。