習い事をやめたがる子どもには、どう対応したらいい?【小阪有花さん連載18】

習い事をやめたがる子どもには、どう対応したらいい?【小阪有花さん連載18】

先日、私の友人から、「子どもが習い事を数ヶ月で辞めたいと言い出し、どうしたらいいかわからない」という相談を受けました。親としては、早ければ3、4歳あたりから習い事に通わせ、いろんなことを幼少期のうちに習得させたい。と思う気持ちもありますよね。今回は、子どもから「もうやりたくない。やめたい」と言われてしまったとき、親はどう対応すればいいのかをお話しします。(子どもの心スペシャリスト・小阪有花)

まずは辞めたい理由を聞きてあげる

親にどんな思いがあったとしても、頭ごなしにやめるのはダメだと一方的に決めてはいけません。

親としては

「やりたいって言ったから高い授業料払ってるのに!」
「これだけは子どものうちに覚えさせたい!」

など親なりの言い分はあると思いますが、それでも、子どものやめたいの理由を聞く前に結論をだしてはいけません。

親は、子どものやめたい理由を聞いてから、どうするべきかを、必ず一緒に考えるようにしいましょう。
子どもの習い事

やめたい理由には必ず寄り添う姿勢を

子どもの辞めたい理由は色々あると思います。

「飽きてしまった」
「先生があわない」
「友達がいない」
「レベルが上がってついていけなくなった」
「ほかにやりたいことができた」
「疲れてしまった」

など、あると思います。

その理由によって、対応がかわってくきますが、どんな理由でも、はじめは、その感じている気持ちを否定しないであげてください。共感して、そのあと、どうしていくかを寄り添いながら話し合いましょう。

飽きた。他にやりたいことができた。と言われ場合

別の場所に意識が向いてしまっている場合は、「なぜそれをやりたいと思ったのか?」と、現在の意識対象に向けて話してみてください。

その思いが、今の習い事から逃れるために用意した理由になっていないかを知る必要があります。

「今、興味があるものに対しての好奇心は本物だな」と感じたら、今は色んな経験から自分にあっているものを探している時なのだと割り切って、好きなだけチャレンジしてみて良いでしょう。

しかしその際は、辞めるという決断ではなく、習い事を保留にするという考えもありますので、そちらも提案してみると良いと思います。

また、習い事をコロコロ変えられてはお金がかかってしまう‥という問題がでてきたら、最初から全てを揃えようとするのではなく、体験コースを受けてみたり、習うからには3ヶ月は続ける、でもいいでしょう。

または、「まずは1ヶ月やってみて、本格的に通うかはその後決めよう」など、習い事を通じて話し合い、別の学びも得られるようにしましょう。

レベルが上がってついていけないと言われた場合

ある程度いけたけど、次のステップにつまずいてどうしても先にいけない。この理由なら、辞める理由にはなりません。むしろ、どうしたら課題をクリアできるか?がテーマになっていきます。

別のやり方を一緒に考えるでもよし、できない理由が技術的な問題なのか、環境の問題なのかを洗い出すもよし、つまずいていた時にどう対処するかは人生をも左右する重大な要素なので、これはむしろチャンスだと思い、徹底的に向き合ってあげてください。

やるだけやって、それでもダメなら仕方ないと気持ちよくやめれるくらいまで向き合えたら、結果として辞めることになっても得られた経験はきっと子どもを強くさせたことになるでしょう。

先生があわない。友達がいないと言われた場合

子どもも先生も一人の人間です。必ず相性があります。やめたい理由が、習っているものではなく、人間関係に関わるものであれば、通う場所を変えるという方法もあります。

気をつけたい点は、本当のやめたい理由を隠していないか?ということも意識して話してみてください。たとえば、飽きたからやめたいと言っていても、本当は友達にいじめられているけど、それを言えないから辞めたいと言っている。万が一こういった状況に追い込まれていたら、やめることと共に心のケアが必要になります。

ここを見分ける方法としては、

「話の辻褄があっているか?」
「話し合おうとすると極端に嫌がらないか?」
「発言をさけたり、目が泳いでいないか?」

など、子どもの様子を見ながら話を聞いてあげてください。けして急かしたりせず、時間をたっぷりとって、同じ目線で話をきいてあげてくださいね

疲れてしまった。辛い。と言われた場合

「疲れた」
「辛い」

などの発言は、習い事云々の前に子どもの生活を見直す必要があるかもしれません。

「習い事をつめすぎてしまってはいないか?」
「日常に変化があって気持ちがいっぱいいっぱいになってしまっていないか?」

など、生活習慣を見直してあげてください。

あまり健康的ではない発言なので、休息をあたえるか、疲れてしまっている原因を探し解決できれば、またやる気が戻ってくる可能性があります。

子どもは毎日を懸命に生きている

一見、子どもは遊んでるだけのように見えるかもしれませんが、子どもも毎日一生懸命に生きています。保育園という場所は、子どもにとって、2つ目のおうちなのと同時に初めての社会経験だったりするのです。

子どもたちは溢れる好奇心を生かし、たくさんの発見と気づきを繰り返し、人生を豊かにしようとしています。習い事もその一つです。

だからこそ、習い事をやめたいと言ってきた時に、親は子どもとどう向き合うかが重要です。きちんと話し合って問題を解決していけば、子どもたちの心を育てることができるでしょう。

なので、習い事に通う過程からやめるまで、全てが学びなんだと意識し、子どもと向き合って対応してあげてくださいね。

【小阪有花】2004年 ミスマガジンから芸能界へ。2009年に芸能引退後、保育コンサルを経て、2020年 総合制作会社cheer lead を設立。