認可外保育園を選ぶ時の注意点は? 口コミも少なく、チェックポイントを知っておこう

認可外保育園を選ぶ時の注意点は? 口コミも少なく、チェックポイントを知っておこう

「認可保育園に入れなかった」「深夜勤務の際に子供を預けたい」などの要望に応えらえるのが「認可外保育園」です。今回は、とりわけ口コミ等の情報が少ない「認可外保育園」の特徴、選び方について解説します。

認可外保育園とは?

子どもの預け先である「保育園」は、国が定めた基準を満たしているか否かで「認可保育園」「認可外保育園」に分類されています。

認可保育園が「国が定める一定基準を満たし、各都道府県知事から認可を受けてる保育所」だとすると、認可外保育園は、基準が認可保育園よりもゆるやかといえます。

「認可外保育園」の中には、以下のような分類があります。

・ベビーホテル

 19時以降の保育を行なっている。
 宿泊をともなう保育を行なっている。
 時間単位で預かりを行なっている。

・事業所内保育園

 その事業所等で働く社員の児童を対象に預かりを行なっている。

・院内保育園

 病院や診療所等で働く職員の児童を対象に預かりを行なっている。

・その他の認可外保育園

 上記3施設に該当しない施設。

そして認可保育園ともっとも異なる点は、保育料です。認可保育園の場合、保護者の収入により価格が異なるうえ、保育料は自治体に支払います。しかし「認可外保育園」は、施設と保護者が直接契約し、施設の規定額を直接支払います。

※参考・東京都「認可外保育施設(ベビーホテル・その他・事業所内)一覧の公開と利用する際の留意点」

認可外保育園の死亡事故比率について

平成30年5月28日、「内閣府子ども・子育て本部」が発表した「平成29年教育・保育園等における事故報告集計」によると、「認定こども園・幼稚園・保育所等」の負傷等は872件、死亡は8件とあります。

その内訳をみると、死亡については合計7件あり、認可保育所で2件、認可外保育園では4件と、認可外保育園の割合の大きさが目立ちます。(その他に、認定こども園で1件、病児保育事業で1件)。特に、認可保育園は2万3410園であるのに対して、認可外保育園は1万1484園しかなく、死亡事故が発生する確率が高いことがわかります。

認可外保育園で死亡した児童の年齢の内訳をみると、0歳児2人、1歳児1人、2歳児1人と、低年齢であるほど死亡の割合が高まることがうかがえます。

なお、長期の統計でも同じ傾向が出ており、平成16年度から29年度までに合計の死亡件数は、認可保育園が59件、認可外保育園が131件でした。さらに、保育園児数を考慮すると、認可外保育園は、なんと20倍程度の死亡事故発生率があるという計算になります。

※参考「平成 29 年教育・保育施設等における事故報告集計」の公表及び事故防止対策について
※参考・総務省「保育施設等で発生した事故の的確な把握」

認可外保育園の選び方

・情報収集

認可外保育園を選ぶ際にまずすべきことは、情報収集です。各都道府県の自治体ホームページには、自治体に届け出ている認可外保育園の一覧が掲載されています。あわせて、立ち入り調査結果についても公表されています。ただ、HP内の認可外保育園に関する情報が分かりにくいこともあります。自身で、「○○(自治体名) 認可外保育園 立ち入り調査結果」と、検索をかけることをおすすめします。

なお、国は立ち入り調査結果の公開を自治体に求めていますが、公開していない自治体もあります。なんのための立ち入り調査なのか、分かりませんね。

・事前見学

情報収集したら、実際に利用したいと思う園に見学に行きましょう。自分の子どもの“命を預ける”ことを意識した上で、総合的に園を確認しましょう。

外観や内観の綺麗さや、自宅や最寄り駅からの近さ、そして保育料の安さに重点を置きがちですが、それだけではなく、子どもの安全と快適さが確保されている環境であるかどうかが、もっとも大切なのです。

「厚生労働省児童家庭局保育課」が作成した「よい保育施設の選び方17のチェックポイント」を参考にしましょう。

よい保育施設の選び方17のチェックポイント(東京都版)

1.園長(施設長)や保育する人が保育の考え方や内容をきちんと説明してくれるか
2.部屋の中まで見学させてくれるか
3.【重要】子供たちの様子がいきいきしているか
4.【重要】保育する人の数が足りているか
5.【重要】保育士の資格を持つ人が足りているか
6.保育する人が笑顔で子供たちと接しているか
7.保育する人の中に経験豊かな人がいるか
8.赤ちゃんが静かに眠れる場所があるか
9.子供が動き回れる十分なスペースがあるか
10.遊び道具がそろっているか
11.外遊びをしているか
12.【重要】掃除が行き届いて清潔であるか
13.【重要】災害時のための避難口や避難階段があるか
14.食事は栄養のバランスやアレルギーに配慮しているか
15.保護者と保育施設との間で連絡帳等情報共有を図っているか
16.【重要】睡眠時のチェックを定期的にしているか
17.慣れ(慣らし)保育を実施しているか
※出所:厚生労働省児童家庭局保育課「よい保育施設の選び方」

・契約内容の確認

認可外保育園を利用する際、直接施設に申し込みます。その際の受ける説明や契約内容について、気になる点や疑問点、納得できない点は、遠慮なく施設に確認しましょう。

保育園危機対応アドバイザーが教える「ここだけは見て!」

認可保育園に比べ、口コミなどの情報が圧倒的に少ない印象を受ける認可外保育園。自治体ホームページに掲載されている「認可外保育園一覧」でさえ、閉業しているにもかかわらず掲載されていることがあったりと、情報源の脆弱さがうかがえます。

認可保育園の場合、窓口は行政に集約されていますが、認可外保育園の場合は、どこに問い合わせていいのか、相談していいのかさえ、わかりうにくいという状況です。

「保育園まるごとランキング」のサイトで「本音で語る、保育園のほんとの話」を連載中の保育園危機対応アドバイザー・脇貴志氏も、こう話します。

「各自治体が公表している立ち入り調査結果については、重要な情報といえます。そもそも、“立ち入り調査が入ったことがあるのか”がわかるだけでも重要です。認可外保育園が増えすぎ、行政は基本的に1年に1回は入らなければならないのに入れない施設が多いなか、積極的に調査が入っている保育園には、調査対象に選ばれる理由があるのです」

一方で、立ち入り調査だけを過信するのもよくありません。

「立ち入り調査は、子どもが置かれている環境についての調査としては、期待できます。保育士と園児の数が適切かどうか、給食の量は適切か、掃除が行き届いているのか…など、物理的なポイントについてはきちんと調査してくれ、その結果は信頼できます。ですが安全面に関しては、立ち入り調査だけでは測ることができません」

そうした立ち入り調査だけでは測れない部分は、「見学時に保護者自身が見て判断するしかない」と、脇氏は続けます。

「見学時に見るべきは、施設の職員です。たとえば、電話をすると何秒で出るか、玄関でチャイムを慣らしたら、何秒で応答するかで、危機管理能力を測ることができます。早く対応すればするほど、普段からぼけっとしていない、ということですから」

また、「初対面で横柄な態度に出たかと思うと、関係者だとわかった途端に手のひらを返したように下手に出る職員がいる保育園もあります。子どもにも同じような態度でいると思われるため、子どもがぞんざいに扱われると思ったほうがいい」と言います。

「また、目を見て挨拶しなかったり、話をしていて『社会人としてどうなの?』と思うような姿勢や相槌の打ち方など、『なんだかおかしいな』と思う自分の勘や違和感は、信頼したほうがいいです。それこそ、立ち入り調査で行政が見る“チェックポイント”では測れない部分ですからね」

自分の子どもの命を守るために、保護者は常にアンテナを立てておくことが重要といえるでしょう。

【参考になる記事はこちら】認可保育園に落ちた場合の「認可外保育園」は、無許可運営なの!?  制度の仕組みから、安全な選び方まで紹介