「病児保育室」で保育士が働く上で必要なスキルは?経験者が語る「距離を縮めるスキル」の重要性

「病児保育室」で保育士が働く上で必要なスキルは?経験者が語る「距離を縮めるスキル」の重要性

保育士資格を活かすことができる施設としては、保育園の保育士以外にも、「病児保育室」があります。今回は筆者が実際に働いたことのある「病児保育室」についてご紹介します。
(元保育園園長・藤森みずほ)。

<目次>

  1. 病児保育室とは、どんな施設?
  2. どんな病気の子を保育するの?
  3. どんなスキル・経験が必要?
  4. 感染症に注意
  5. まとめ

1. 病児保育室とは、どんな施設?

病児保育室とは、厚生労働省の「乳幼児健康支援一時預かり事業」として国の補助金のもとに行われている事業の一つです。

普段は保育園や小学校に通っている子どもが病気やケガで集団生活が困難になった場合、一時的に預かる施設です。働く保護者からの「病気の時も預かってほしい」というニーズに沿った取り組みとなっています。保育士と看護師が保育・看護を行い、適宜、医師の巡回を受けながら病気中やケガの間も安心して過ごせる保育環境が整っているのが特徴です。

最新(平成29年度)の厚労省のデータでは、全国で2,886か所の病児保育事業が実施されています。

2.どんな病気の子を保育するの?

基本的には、急性期を過ぎた安定期から回復期の病気中にある子どもを預かります。いわゆる風邪はもちろんですが、突発性発疹症や水ぼうそう・おたふく風邪・胃腸炎・インフルエンザなど、登園許可がなければ保育園へ通うことのできない感染症での利用が比較的多いのが特徴です。

長い場合だと、症状が消失するまで1週間ほど預かるケースもありました。アデノウィルスや手足口病、溶連菌などでの利用も流行時期には一気に増えます。一般的に、前の日に発熱した場合、翌日の登園は望ましくないとされるのが保育園です。ですから、熱が上がったその日に病院受診したタイミングで病児保育の利用を申し込むご家庭がほとんどです。

ケガでの利用では、骨折したばかりでギブス固定に慣れておらず、「集団生活はもう少し先にしましょう」と医師からの指示があった子を2週間お預かりしたことがありました。2,3日のお預かりが多い病児保育では、利用期間が長期に渡った珍しいケースです。どちらにせよ、病児保育室の利用には医師の許可が必須です。

3.どんなスキル・経験が必要?

保育士として病児保育室で働く場合、看護や医療の知識は、一緒に働く看護師や医師がいるのでそれほど必要ではありません。ですが、子どもの感染症についての知識はもちろん、苦い薬の上手な飲ませ方や発熱時の正しい対応方法など、実際に働きながら得られる実践的な知識はたくさんあります。日々の業務に探求心を持っていれば、自然と身に付くので安心してください。

それよりも、病児保育室の保育士には、子どもとの信頼関係を即座に構築することが求められます。なぜなら、保育園の保育とは違って何週間・何年間も継続して預かることはなく、保育の積み重ねができないからです。

病児保育室は「一時的」にお預かりする場です。ましてや、体調の優れない子たち。具合が悪くて機嫌が悪い上に、初めて会う保育士に安心して抱っこされるまでには時間がかかります。とはいえ、一日を緊張状態で過ごしては治るものも治りません。保育のプロとして、子どもと距離を縮めるスキルが必要です。いつも通園している保育園で歌っていそうなお歌を歌ったり、手遊びをしたり、絵本を読んだりと、これまでの保育園保育士としての経験が役に立つでしょう。

また、預かる年齢も幅が広く、さまざまな発達段階の子どもたちに、それぞれ適した遊びや言葉かけを提供することも重要となっています。0~5歳児の子どもたちとの保育経験がまんべんなくある人は即戦力になります。私が働いていた施設では、小学2年生までが対象だったので、学童期の子どもとの遊び方の知識が必要でした。ぬりえを一緒にやったり、すごろく作りをしたりと、体を休めながらも楽しく過ごせる遊びのレパートリーがあるといいですね。

病児保育室で勤務するために特別な資格は必要ありませんが、入院するほどではない、突発的な体調不良時に親に代わって適切なケアと保育を行う「認定病児保育スペシャリスト」や入院している場合も含め、病児の遊びや生活を支援する「医療保育専門士」などの資格もありますので興味があれば取得を検討してみてもいいかもしれません。

認定病児保育スペシャリスト

  • 日本病児保育協会が発行する認定資格。
  • 18歳以上であれば受験可能。
  • 事前にWeb講座と実習と行った上でオンラインでの認定試験を受ける。

医療保育専門士

  • 日本医療保育学会が発行する認定資格。
  • 保育士資格必須。1年以上、当学会の会員であることや、病院や病児保育施設などで常勤1年以上の実務経験があることが条件。
  • 受験方法は5日間の研修、9回のレポート提出、論文提出、口頭試問。

4.感染症に注意

注意点は、預かり児から自分が感染症をもらう確率が高いことです。よだれ等の飛沫感染する病気には特に注意が必要です。私は1年目の時に、おたふくかぜや手足口病を感染してしまったことがあります。密接な距離で保育するので仕方がない部分もありますが、一定の距離を保った遊びや、抱っこだけに頼らない保育の方法を身につけた2年目からは、風邪一つもらうことなく勤務を全うすることができました。予防接種や保育中の手洗い・うがい・マスクの着用で防ぐことのできる部分もあるので勤務する際には気を付けてくださいね。

5.まとめ

病気中の子どもたちも健康な子どもたちと同じように、絶えず成長しつづけています。病児保育室には、病気でいつもの保育園や学校に通うことのできない間、安全にお預かりして成長を支えるという重要な役割があります。保育の知識と経験をもとに病児への適切な保育を提供できる、専門性が求められる仕事です。

また、小児看護や医療ケアなど新しいことを学んでみたい保育士さんにもおすすめの仕事です。子育て支援の重要な役割を担う施設での勤務はやりがいも大きいですよ。

【藤森みずほ】現役の看護師であり、保育士。笑顔で働き続けたい女性のためのキャリアコーチとしても活動中。noteを運営中。

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