♯8000、♯7119 夜間・休日の子どもの病気やケガに、知っておきたい短縮ダイヤル

♯8000、♯7119 夜間・休日の子どもの病気やケガに、知っておきたい短縮ダイヤル

夜間や休日の子どもの病気やケガ。慌てないように、救急時の医療機関の連絡先は控えておきたいもの。今回は、いざというとき役に立つ、短縮ダイヤルについてお伝えします。(ライター・松原夏穂)

妊娠中から、医療機関の情報収集を

筆者が第一子である長女を妊娠した頃。不安の種はたくさんありましたが、その一つが病気やケガにどう対処するか。特に乳幼児期はすぐに熱を出すものです。

そこで、自宅近辺の小児科をチェック。場所だけでなく、休診日や開院時間、夜間や休日に対応してくれるか、などを調べました。意外だったのは、自宅近くに小児科があったのに全く気付かなかったこと。看板は出ていたのに、ビルの2階にあると気がつかないものです。今まで関心がなかったのだと実感するとともに、これからは子どもの視点に立つことが大切だなと思いました。病院の情報は、各自治体のホームページや、冊子を参考にしましょう。

そのとき目にしたのが、「#8000」という「子ども医療電話相談事業」。いざというときに備え、その番号もメモしておきました。

子ども医療電話相談事業

子ども医療電話相談事業のサイト

#8000 子ども医療電話相談事業とは

厚生労働省が行っている、#8000 子ども医療電話相談事業。保護者が休日や夜間の子どもの病気やケガで、病院を受診するべきか判断に迷ったときに、小児科医や看護師に電話で相談できるシステムです。子どもの症状に応じた、適切な対処の仕方や受診する病院などのアドバイスが、受けられます。全都道府県で対応。
※注、電話受診ではありません。あくまで相談です。

・♯8000は全国統一の番号で、在住の都道府県の相談窓口に自動転送されます(プッシュ回線の固定電話、携帯電話)
・一般ダイヤル回線も都道府県ごとにあるので、そちらの番号も控えると安心です(携帯電話、ダイヤル回線の固定電話、IP電話)
・実施時間帯は、都道府県によって異なります

詳細は、厚生労働省 子ども医療電話相談事業(♯8000)のページを見ましょう。

電話相談を利用した体験談

#8000を利用した方のおはなしを聞くことができたので、紹介しましょう。

♯8000 電話相談した体験談

まずは、長女が3歳のときの筆者の体験を。休日の夜、長女が転んでおでこをぶつけました。大泣きする長女のおでこには大きな「こぶ」が。出血もなく意識もしっかりしていましたが、心配です。そんなとき思い出したのが、♯8000 子ども医療電話相談事業。当時は、23:00まで(2021年現在は一部の県を除き翌朝まで)でしたが、時計を確認すると22:00過ぎ。間に合いました。

電話をかけると看護師が対応してくれました。

看護師さんには、「一晩冷やして、翌朝小児科を受診するように」と言われました。おかげで落ち着きを取り戻せました。翌朝、小児科を受診。引き続き冷やすように言われ、大事には至りませんでした。このころは、長女は何事もなかったかのように元気でした

ということで、私自身が落ち着くことができ、ありがたいシステムだなと思いました。

同じく息子が3歳の頃に利用したママは、

日中熱があったけど元気に動いていた息子。でも夕方からさらに熱が上がりグッタリ。よく見ると、唇が青く、目の焦点も合っていない感じ。救急車呼ばないと!と一瞬取り乱すも、冷静さを取り戻し♯8000に電話相談。「高熱になると出る症状なので大丈夫」、とのことでした。安心しました。今後のために、電話帳の1件目に番号を登録しました

この方は当時、新居に引っ越したばかり。近所の病院をよく知らず、不安だったのですが、電話で話して落ち着いたとそうです。

まずは電話すればよかった…

また、慌てて救急車を呼んだものの、よく考えれば、冷静にまずは電話すればよかったというケースがありました。

筆者の長男が1歳の冬の休日。発熱をしたものの元気だったので、普段通り夕飯を食べました。片付けようとしたところ、長男がイスの上で反り返り意識のない状態に。夫が慌てて抱き上げて、意識はすぐに戻ったものの、こちらは気が動転。「けいれん」かもと思い、救急車を呼びました。♯8000のことは、すっかり忘れていました。

当時住んでいた家の前の路地は狭く、手前で停車したため近所の人も出てきて、ちょっとした騒ぎに。病院に着いた頃には子どもはすっかり落ち着いてきましたが、その症状は、「けいれん」ではなく発熱からくる生理的な反応と言われました。寒い夜に、熱のある長男を連れ出すことになり、あまり良い対応ではなかったのかもと思いました。冷静に、#8000に電話すれば、ここまで大騒ぎにならなかったかもしれません。

ちなみに。「けいれん」は、5分以上続くようなら救急車を呼ぶ必要がありますが、それ以下は、その必要はないそうです。

さらに。夫は舌をかまないように、長男の口に指を入れましたが、逆に口の中を傷つけたり、窒息したりする可能性があるので、危険とのことです。医師に注意されました。

♯7119 救急安心センター事業も知っておこう

もう1つ知っておきたい短縮ダイヤルが、総務省消防庁が行っている、#7119 救急安心センター事業です。

すぐに病院に行った方が良いか、また救急車を呼ぶべきかを悩んだりためらったりしたときに、医師や看護師、トレーニングを受けた相談員に電話相談できるシステムです(子どもも大人も使えます)。
※注、電話受診ではありません。あくまで相談です。

こちらは、対応都道府県が限定されています。
・♯7119は統一の番号で、在住の都道府県の相談窓口に自動転送(プッシュ回線の固定電話、携帯電話)
・一般ダイヤル回線も都道府県ごとにあるので、そちらの番号も控えると安心(携帯電話、ダイヤル回線の固定電話、IP電話)
・実施時間帯は、都道府県によって異なる

【全域対応】 
宮城県、茨城県、埼玉県、東京都、新潟県、京都府、大阪府、奈良県、鳥取県、山口県、徳島県、福岡県
【一部実施】
札幌市周辺、横浜市、神戸市周辺、(和歌山県)田辺市周辺、広島市周辺

参考:♯7119以外の番号で実施
山形県、栃木県、千葉県、香川県

詳細は「総務省消防庁 救急安心センター事業(♯7119)をもっと詳しく!」をご覧ください。

救急安心センター事業

救急安心センター事業

おわりに

♯8000も♯7119も認知度が上がり、つながりにくいという声もあります。その場合、少し時間を置いてかけ直してください。

コロナ禍の今、病院をすぐに受診できない場合もあるので、まずは#8000で、専門家の的確な判断を仰ぐようにしましょう。

それ以外にも、自治体webサイトや広報誌には、救急の医療機関や当番医が紹介されているので、参考にしてもいいでしょう。