家事のお手伝いでのお小遣い制はだめ?2021年からのお金教育について【小阪有花さん連載⑩】

家事のお手伝いでのお小遣い制はだめ?2021年からのお金教育について【小阪有花さん連載⑩】

ここ数年、昔は懸念とされていたお金の教育が、子育ての大切な必至項目になりました。お金教育を意識することで、精神的に自立し、将来のビジョンをしっかり考え実行できる大人に育てられると私は考えます。今回は、一般的なお金教育ではなく、これからの時代にあったお金教育を私の視点でお話ししたいと思います。
(子どもの心スペシャリスト・小阪有花)

家庭内でのお手伝いでのお小遣い制度はよくない

「お金の話をするとお金のことを気にする子どもになる」
「そもそも子どもはお金のことなんて知らなくていい」

自分が小さい頃はそんなことをよく親に言われ、お金について何かを学んだ記憶はありませんでした。しかし、今やお金の教育は生きていく上で必須の項目です。

そんな「お金教育」の中でも、まずはお小遣いのあげ方をどうするべきかを考えますよね。お小遣いのあげ方について調べていくと「家の家事を手伝い、終わったらいくらもらえる」という内容が一般的なようです。与えられたお皿拭きやお買い物などの家事をしたらお金がもらえる。一見、理にかなった分かりやすいお金教育に感じますが、実はこれ、あまり良い方法ではないのです。

子どもが小さいうちは、料理も洗濯も家事といわれるものは両親が当たり前にやってくれます。

しかし、子どもが成長するにつれて、家のお手伝いをするようにならないといけません。それは、今後自分が生きていく上で、対価がなくとも家事は必ず自分でしなくてはならないからです。

家事は親がするものではなく、家族全員がすること。これを身につけるためには、「家事を手伝うとお金がもらえる」という教育方針は、個人的にあまりおすすめできません。

では、お小遣いはどのように渡し、どのようにお金教育をすればよいのでしょうか?

お金教育

目標を決めてのお小遣い制が好ましい

家事手伝いでのお小遣いではなく、目標を決め、結果でのお小遣い制が理想だと私は考えます。たとえば、週に一回でも、毎日でもいいので、必ず家族と共に何かの目標を決め、実行することでお小遣いをもらえるようにするのです。

目標はなんでも良く、「1日一回お友達の絵を描く」「お母さんが喜ぶことを考えて積極的に行動する」「絵本を5冊読んで感想を親に伝える」など、どんなことでも良いです。

家族と一緒に目標を決めて、子どもに行動させてください。そして、決めたことを実行できたか?その目標に対しどのように向き合ってきたか。最初にお小遣いの金額は決めた上で、子どもの行動を見守ってみてください。

この行動は一見なにを意味するのかわからないかもしれません。結論からいうと、この行動により「有言実行」「目標達成」の能力を育んでいるのです。

昔とは明らかに違う大人になってからの働き方

昔のお金教育は、子どもが嫌がることに対し、やってくれたらお小遣いをあげるという流れで、「子どもはお小遣いほしさに渋々動く」という構図でした。

この教育が、のちに、大人になって働く際、「嫌なことでも仕事だし、お金を稼ぐためだから仕方ない」という、割り切り精神を作っていると思います。今まではそれでよかったかもしれません。「嫌でも仕事だから仕方なく働く」という働き方でも普通に生きていけた時代だったからです。

しかし、インターネットやスマホが当たり前の時代になり、AIが発達した現代では違います。企業によっては、そういった嫌々仕事をするような人材は無理に雇う必要はないと判断される風潮になっています。現在は、嫌なことでも割り切って仕事する人より、好きなことをコツコツ続けられる人、専門分野を追求しそれを使って臨機応変に仕事をみつけていける人が多くのお金を稼ぎ、生き残ることができる時代へと変化しています。

なのでこれからのお金教育も、好きなことや自分が得意なことをみつけ、積極的に取り組み、それにより人が喜ぶことや役に立つこでお金がもらえる。この仕組みを自分で考え見つけらるよう教育することが大切なことだと考えます。

2021年からのお金教育は、
好きなことを仕事にできるパワーを習得させる

これからの教育で取り入れていきたいことは、与えられたことを嫌でもやるということが基本にならないよう、自分が好きなことを、得意なことをみつけ、それに没頭し進んでいけるようになる子を育てる意識が重要です。

「自分は何が好きか」
「好きなことを仕事にするためには何をするべきか?」
「それを実現させるためにはどのような目標をかかげ進んでいくべきか?」
「それをいつまでに有限実行できるか?」

これを自ら考えられれば、今後、めまぐるしく変化する時代の中、苦労することや失敗することがあっても、きっと夢を実現させ、充実した人生をおくれると私は考えます。

だからこそ、今までの一般的といわれたお金教育ではなく、2021年からは、時代に適応した新しいお金教育を考え実行する必要があるのです。

【小阪有花】2004年 ミスマガジンから芸能界へ。2009年に芸能引退後、保育コンサルを経て、2020年 総合制作会社cheer lead を設立。