子どもに本を読ませるのに「いい行動」「ダメな行動」を教えます【小阪有花さん連載22】

子どもに本を読ませるのに「いい行動」「ダメな行動」を教えます【小阪有花さん連載22】

良くも悪くも様々な情報が飛び交うネット社会。情報リテラシーを高めるためにも、子どもにはネットだけではなく、たくさんの本を読んでもらいたいと思う事ありませんか? 今回は、本好きの子どもにするために、やるべきことと、困ったときの対処法。そして、してはいけない意外なNG行動をお伝えします。(子どもの心スペシャリスト・小阪有花)

読書をする子ども

本好きにするには子どもに絵本を読む習慣をつける

私は、教育研究家七田厚さんの「子どもを本好きにすることができたら、親の役割の半分は終わったと考えていいと思っている」という言葉がとても好きで、保育園で働いている時も絵本はなるべく読むようにしていました。

本を読むということは、基本中の基本ですが、子どもにはできるだけたくさん絵本をよんであげましょう。できるだけと言われると、1日何冊読めば‥と不安に思うかもしれませんが、1日一冊でも充分です。

大切な事は本を読むという習慣をつけさせることなので、たとえば「子どもが寝る前に親が一冊絵本を読んであげる」などができれば良いと思います。

この習慣が身につくと、寝かしつけに苦労するということも確実に減っていきますし、子どもの生活習慣を作る材料としても絵本はとても効果的です。まずは寝る前の絵本から初めてみることをおすすめします。

どんな本を読むかを悩む必要はない

絵本はどんな本を読ませれば教育によいのか?と悩む方もいるかもしれません。しかし、子どもの絵本の楽しみ方は物語だけではありません。絵本のイラストであったり、色の世界観だったり、出てくるキャラクターだったりと楽しみ方はそれぞれです。

絵本は子どもに選ばせてあげましょう。好きな絵本を複数選ばせてあげるには図書館が便利です。休日に図書館で好きな絵本をその場で読んであげるのも素敵な時間になりなすので是非足を運んでみてください。

この子にはまだ早いのでは?と思う本を手に取ってしまった時は

読書をする親子

絵本にもたくさんの種類があります。年齢にあった本を読ませたいと思っても、読んで欲しいと持ってきた本が対象年齢から離れた本だということもあります。

そんなときでもまずは気にせず読んであげましょう。子どもは正直なので、飽きたり、なんか違うな?と思えば自分から別の本に変えたいと言ってきます。その時はすんなり変更してあげましょう。

怖いシーンがある絵本を持ってきてしまった時は

本の内容の中には、ちょっと怖いシーンがある場合があります。お化けがでてきたり、追いかけられるシーンがあるものをとってきてしまう場合もあります。それでも、読む上でのポイントをおさえ、受け入れてあげましょう。

怖いシーンを読む上でのポイントは、怖いシーンに限り、感情や抑揚を込めて読む事を避けましょう。怖い話を想像したらわかるかもしれませんが、怖い話などには必ずそれらしい音楽や口調など、何かしら演出が加わるものです。そういった人の不安を煽るような場面こそ、抑揚をいれず、淡々と話をすすめると、人は恐怖心を感じにくく、出来事のひとつとして受け止めることがます。

絵本を読む時になるべく強弱をつけて読む方がいますが、そういった子どもが怖がるかもしれないシーンはむしろ変化をつけないで読む事で、子どもは普通にお話しを聞くことができます。

絵本じゃない大人向きの本を持ってきた時は?

絵本でなくても、子どもにとって興味が湧いたものなら気にせず見せてあげましょう。

写真ばかりの本や文字だけの本でも、子どもにとっては本に触れている瞬間になります。大切な事は、何を読むかではなく、本に触れさせることです。なので、図書館や書店に行った際は絵本のコーナーに行く前にいろいろまわってみましょう。

料理本などは大人も子どもも楽しめますし、意外な場所で将来の夢に繋がる一冊に出会えるかもしれません。

とにかく子どもの手に届く場所に本がある

これ読みたいな。と思った時にその本が手に届かないという事がないようにしましょう。

繰り返しになりますが、本は何を読むかではなく、どれだけ触れることができるかが重要です。本が読みたい好奇心を止める事なく、自由に選べる環境を作ってあげることが本好きになれる秘訣です。

本好きにするためにやってはいけない意外な行動とは?

保護者の中には、「本好きにするためにまずは親が本を読んでいるところを見せる」ということは基本だと思っている方が多くいますが、実はこれ、NG行動に入っているのです。理由は、親が本を読んでしまっているから自分は遊んでもらえないと思ってしまう危険性があるからです。

普段から子どもと遊ぶ時間を確保していたり、子どもと一緒に本をみる時間をしっかりとっている場合は話は変わりますが、そうではなく、普段子どもとのコミニケーションが満足にとれていない方が、子どもの前で本を読むと子どもは本という存在にジェラシーを感じ遠ざけてしまう恐れがあるのです。

なので、子どもの前で本を読む場合は、短時間にするか、子どもと一緒にいる時間を作ってあげることを前提に本との距離を詰めていきましょう。

見たい本を親が読んでくれる幸福感が本を好きにさせる

子どもを本好きにするための行動をお伝えしましたが、大切なことは子どもの本への好奇心を止めないことです。

本の読み聞かせは立派な教育の一環なので、つい見せたい本を読みがちですが、それだけでは子どもの好奇心を満たせません。どうしても読んで欲しい場合はいつでも手に取れる場所に常に置いておく。これだけでいいのです。

子どもは好きな本を親や保育園の先生に読んでもらう事で、幸福感が高まり、本にも愛着が湧いていきます。本を読んでいる時間の幸福感は子どものこれからの未来、知識や創造力を育む上でとても大きく役立つものです。是非、子どもとの本の時間を大切に過ごしてくださいね。

【小阪有花】2004年 ミスマガジンから芸能界へ。2009年に芸能引退後、保育コンサルを経て、2020年 総合制作会社cheer lead を設立。